十九話 白夜
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「やはり貴方…手を抜いていた…」
白夜は、睨むように狂夜を見た。
「…しっかし…この筋力パラメーターは、異常じゃないか?お前の身体が持たんだろう。」
「…私は問題ない…」
「…そうか。身勝手だな。これがお前の能力か?」
白夜は、俺の質問に素早く答えた。
「…これは…能力じゃない…」
「!?」
狂夜の頬から冷や汗が流れる。
「マジ…かよ…」
「…マジ…」
再び白夜が消えた。
(…落ち着け…素数を…じゃなくて…まずは冷静に見るんだ…)
狂夜は、構えずに眼を閉じた。
(…異常な風向きだ…これは…高速で上に逃げたか?)
白夜が消えてから五秒…と経った瞬間、狂夜は、眼を開いた。
瞬間、上から白夜が現れた
狂夜は、身体を反らして突進してきた白夜を受け流した。
ドゴォと大きな音と共に白夜の外した攻撃が地面に当たり、大地が砕けた。
「やれやれ…何の為に戦っているがは、知らんが迷惑な事だ。」
「迷惑は…素直に詫びる…しかし…私が何の為に戦っているかなど貴方に言っても何の意味もない…」
「どうせ『富や地位をやろう!!』とか言われたとか下らない理由だろ?」
狂夜の発言に対して白夜は、眼を細めた。
「くだらない理由なんて…無い…」
「おっと逆鱗に触れちまったか?だが俺は敵であるお前を批判する態度で接する。」
「…貴方の事情なんて知らない…」
「そうか、俺もお前の事情は、知らん。」
白夜は、眼を見開いた。
「…殺す。」
狂夜は、腰に手を当てて傲慢そうに言った。
「…そうだ。殺す気で来い。そうしないと俺は倒せんぞ」
白夜は、クレーターがあくほどの力で後ろに後退し、そこから助走をつけてパンチを繰り出した。
その速度は、まさに神速。
第三宇宙速度を突破する速さだった。
「ハッ!!」
対する狂夜は、白夜の拳と対になるパンチで白夜の渾身の力を迎撃した。
周りの木々が風圧によって倒れていった。
「『人体改造』拳を鋼に変化!!」
狂夜の右の拳が変化して金属となった。
白夜は、それに構わず攻撃を続ける。
その白夜の猛攻の最中狂夜は、白夜に異変を感じた。
(…?パワーとスピードが少しずつ落ちてきている?相変わらずデタラメなパワーだが…)
「お前まさか…そのパワー…充電式か?」
白夜の攻撃が止まった。
「…私の力は…使い過ぎると落ちていく…温存型…」
狂夜は、白夜の返答に疑問を感じた。
「…じゃあ何で俺を助けたんだ?パワーの無駄だろ。」
白夜は何も言わなかったが、狂夜は確かに白夜の動揺を感じていた。
「…私は…力が弱
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