死銃
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ギルドである。リーダーの《PoH》を中心とし、2024年の元日に結成、その八ヶ月後のとある夏に消滅した。
攻略組50人規模の討伐部隊が組織され、武力によって壊滅させられたのだ。よその討伐部隊の中にシオンはもちろん、キリトやアスナも加わっていた。
なぜ壊滅に八ヶ月もの月日がかかったのか、それは《ラフコフ》のアジトが見つからなかったからだ。やっとの思いで見つけたアジトでの戦闘でも、敵側に情報が漏れていたらしく奇襲を受けてしまう、しかしそこは攻略組の対応力で建て直し、反撃はできた。
だが、攻略組とラフコフには大きな差があった。
“殺人への忌避感”───
狂騒状態となったラフコフのメンバーが、HPが削られても降参しないと悟ったとき攻略組のメンバーは激しく動揺した。
しかし、その中で唯一それをものともしなかった人物がいた。
それがシオンである。シオンだけはその感情を一切捨てていた。
ただ目の前の敵を斬って、斬って、斬りまくった。
戦いが終わってみればシオンはその手で21人中7人のラフコフのメンバーを斬っていた。
『奴はおそらくあの時の捕らえられたメンバーの中の一人。あの途切れ途切れの口調、まさか・・・』
シオンは大きく息を吸って立ち上がる。
『このまま考えても埒があかないか。今はトーナメントに集中しよう、考えるのはそれからだ』
シオンは二回戦に望むべく再びフィールドへと自動転送された───
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
それから俺は二回戦、三回戦、準決勝へとなんとか勝ち進み、遂に決勝戦へと駒を進めた。
決勝の相手は《Alia》、準決勝まではアサルトライフルを中心とした中距離タイプで勝ち進んできた。
俺は一分間の準備時間を終えて今はフィールドに転送されている。決勝のフィールドは一回戦と同じく市街地エリアで時間は無制限。
俺は転送されたビルの中で相手の出方を見ている。
「・・・・・」
辺りは静寂に包まれる、相手が半径500m以内にいると思うとここまで静かなのが嘘に思えてくる。
俺は隣のビルに移動し視点を変えてみる、しかしアリアの姿は視界に捉えられない。
『どこにいる・・・?』
俺は再び大通りに目をやる。そのときだった、俺の鼻先を弾丸が掠めたのだ。
『ッ・・・!』
完全に不意を突かれた、俺は近くの壁に移り体勢を低くする。
弾の着弾点を見てみると、そこはかんぜんに抉れていた。
『この弾痕。まさか、スナイパーライフル・・・!?』
ここに来て遠距離武器に切り替えてきたことに俺は緊張が走った。
『あの角度からしておそらく狙撃ポイントはあの高いビル、距離にして800mといっ
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