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Fate Repeater 〜もう一人のクルスニク〜
一話:男の思い
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絶対に―――忘れない!!!
兄さんの歌声はだんだんと小さくなっていきそして―――
『………………………………』
『兄さん?兄さん…兄さん!!!うわああああああああああっ!!!!!』
兄さんは……死んだ……いや、殺されたんだ……誰に?
俺に―――殺されたんだ!!!
『ユリウスを殺したか……ルドガー。』
その声にハッとして振り返ると認めたくはないが自分の父親である、ビズリーが立っていた。
珍しいな、この男なら俺に構うことなくエルの元に行ってそうだというのに……。
何のつもりだ?
『ビズリー……エルとラルの元には行かないのか?』
『この期に及んで野暮なことはせん。クルスニクの父親として成すべきことを成すまでだ。』
そう言い放ち時計を構えるビズリー……。
兄と弟が…父と子が…骨肉の争いを繰り広げてきたのが“クルスニク一族”
なるほど、やるべきことは一つか……そうだな、俺も覚悟が決まったよ。
自分の時計…そして、兄さんの時計を両手に構える。
『俺は…俺の世界を作る!!!!!』
俺の世界は誰にも邪魔はさせないっ!!!!!
――――――――・・・
「パパァッ!!!」
エルの泣き声であの日の思い出から引き戻される。ああ…エル……。
私の胸元で泣くエルが愛おしくて頬をそっと撫でる、
勝手な願いだが許してくれ、エル。
……お前を偽物だと言った馬鹿なパパを恨んでくれても構わない、
忘れてくれても構わない……だから―――幸せになってくれ。
かつて兄さんがそうしてくれたように証の歌を歌う……声がかすれて思うように歌えないが…
歌いきるさ、心残りなど残したくはないからな。
ふと気づくとルルが私を励ますように頭を叩いてきていた。
ルル……お前はこんな私にも優しくしてくれるのか……。
私の“ルル”とは違うがやはり最高の猫だよ、お前は。
ああ、ラル……もうすぐ私もそっちに行くよ。
エルならきっと大丈夫だ、ルドガーが守り抜いてくれるさ。彼は私とは違うからね。
そう言えば、ラル……君に会ったら謝らないといけないな。
君との約束も私は破ってしまうところだった。
『また、あなたと……逢えるかしら?』
『ああ、もちろんだ。約束する。』
私が兄さん達を殺したことを自分のせいだと気に病み体を壊していった君と交わした
最後の約束……もう一度巡り会う。
そんな突拍子もない約束だったが……私は叶えようとした。
“正史世界”に生まれ変わるという方法で……でもそれは間違いだったのだな。
私は君ではない“ラル”と逢うつもりだった。
私のラルとエル……君達がいなければ私の望んだ世界ではないのにな……。
愚かだった…私が愛したラルは君だけな
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