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Fate Repeater 〜もう一人のクルスニク〜
一話:男の思い
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言い訳をして“エル”を見捨てるか?それともエルの為に―――自分を殺せるか!!
ドシュッ!!
静かな空間に響き渡る肉を貫く音………。
「パパッ!?」
ああ……お前は―――誤らなかったのだな。
目を閉じ苦しそうに私の胸に槍を突き刺す“俺”を見る。
いや、ルドガーは私ではない、ルドガーは選択を誤らなかった。
かつて誤った選択をしてしまった私とは違う―――“別の人間”なのだ。
ああ……私は何と愚かなことをしていたのだろうか……
そうだ、私とルドガーが違うように“正史世界”で生まれるエルも違う人間だ。
今になって気づくとは…私は馬鹿だ……また過ちを犯してしまった……。
だが、ルドガーなら必ず―――正しい未来を掴みとれる…!!
だから―――
「エルを……頼む。」
お前に託そう……“エルの未来”を。
かつて俺が果たすことが出来なかった“約束”を……
“カナンの地”へ…“オリジンの審判”を越えて……。
既に限界を越えていた体はゆっくりと崩れ落ちる……長い…人生だったな。
「パパッ!!?死んじゃ、やだよ、パパッ!!!」
エル……お前はこんな私を―――お前を偽物だと言った私を……
まだ……パパと呼んでくれるのか……?
ああ……私は幸せ者だな………。
今思えばどうして全てと引き換えにしてまで守った娘を利用しようなどと思ったのだろうか?
ラル……馬鹿な私を許してくれ。
まるで今起きていることかのようにはっきりと自分の大切な者に手をかけたあの日を思い出す。
――――――・・・
『どうして…どうして!?ルドガー!!!』
血塗れで倒れる己の幼馴染みを抱きかかえながら叫ぶジュード。
周りにはかつて共に旅をした仲間達の死体が転がっている。
残っているのは既に虫の息のガイアスに苦しそうな顔を浮かべている兄さんだけ。
この惨状を作りだしたのは誰か?決まっている―――俺だ!!
『どうしてかって?決まってるだろ…エルを守る為だ!!!』
“鍵”であるエルを守る為にはそれを利用しようとするビズリーが邪魔だ。
それを止めようと邪魔をするかつての仲間達も……。
そして、絶対に俺の味方だと思っていたのに裏切った―――兄さんが!!
『あの子は―――エルは渡さない!!!』
かつての親友の元へ近づきそして、その首を―――刎ねる。
まるで噴水のように吹き出る血が俺の体を生暖かく濡らす……さて、後は兄さんだけだ。
先程から動こうとしない兄さんに向き直り時計を構える。
『ルドガー……お前は…本当にこれでいいのか?』
これでいいのかだって?他にどんな方法があるっていうんだ!!?
エルを守るには、エルとラルで一緒に暮らすにはこうするし
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