十七章 幕間劇
越後の龍からの問答
[7/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だしね。それに空とも年が近いし、仲も良いから・・・・この先、絶対に空を助けてくれる将に育ってくれると思う」
「娘ね。妹ではなく」
「空には、姉様より、母様って呼んでほしいのよ」
「なるほどな。春日山を占拠してるのは、美空のあれだしな」
「それに娘なら私の跡目を継ぎやすいでしょ。妹なんかにしたら、私が死んだ後に周りがどう言ってくるか考えたくもない。まあ、私は姉様や母様より先に死んでやる気なんかないけど」
この歳から、そんな先のことまで考えているのか。毘沙門天も感心したと言っている。どうやら帝釈天たちも、美空の考え方を理解したようだ。すると、神界から声が聞こえた。その空と愛菜のことは守ってやろうとな。
「どうしたの?」
「ん?ああ。神界から声が聞こえた。空と愛菜を守ってやるとな。あと帝釈天たちも考え方を変えたようだ。今までは仕方がなくやってきたけど、呼ばれたなら従うとな」
「そうなんだ。これからもよろしくね、帝釈に毘沙門天。あとね、空は身内のいざこざで疲れた私を癒してくれるの」
「美空でもそういうのあるのか」
「私を何だと思っているの?周りは毘沙門天の化身とか何とか言ってるけど、これでも人間よ。そっちは本物の神で人間なんでしょ」
「まあ、そうだが。全てを丸投げして、もうやだーっ!のときはどうしている?」
「そのときはお寺に帰るわよ、しょっちゅうね」
「寺ね」
さっきの出家がどうのこうのとか言ってたな。
「どうせ柘榴や松葉あたりから聞いてるんでしょ。私が機嫌悪くなったら、出家するって騒ぎ出すとか何とか」
「まあ聞いたが」
「けど、今回はしないわよ。少なくとも、空と愛菜を助け出すまではね」
そうまでして助けたい二人なのか。
「・・・・本当に助けたいのだな、その二人の事が」
「あなたにはその相手はいないの?一真」
「いるよ。たくさんな」
「・・・・信長だけじゃなくて?」
「知ってるかどうかは知らんが、俺の妻はこの世界にはいない。俺も別の世界から来た者だ、妻たちは置いてきているから寂しいとは思うけどな。俺の妻は百人以上いる事もな。愛妾は今の所、久遠や家老、三若、一真隊のメンツ。一葉に双葉、浅井家の眞琴や市もな。あとは綾那に歌夜、鞠、桐琴に小夜叉」
「お・・・・多すぎじゃないの?」
「今の所、愛妾は恋人という風になっている。だけど、誰かを守りたいという気持ちは美空と同じのはずだ。今は妻の元より久遠のところに戻るために。それに鬼を全て倒して、この国を人の手に取り戻すつもり。無論神の力もだけど。それで春日山に恩を売るつもりだ」
「ふふっ」
「何がおかしい?」
「その割には、空や愛菜の事を知りたがったりするのね。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ