十七章 幕間劇
小さい子三人で買い出し
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?」
「(ふるふる)」
「そうか。ならいいけどさ」
「・・・・・」
「ふむふむ、その様子だと楽しかったみたいだな。まあ俺も楽しかったけどな」
「(こくこく)」
「あの二人において行かれないようにな」
そういって歩みを速めようとした俺とは対照的に、烏がその場に立ち止まる。
「・・・・烏?」
「・・・・・」
烏はどこか切ない表情で、俺の手元を見る。繋ぎたいのかな、あのときは鞠と雀が繋いでたし。
「ほら、手を貸せって」
「・・・・・・」
「さっきは烏だけ繋いでなかったろ?だから帰りは繋いで帰ろうぜ」
「・・・・・・」
顔が赤いがおずおずといったような感じで、烏が手を伸ばしてくる。躊躇いがちに俺の指先に触れて、手のひらとてのひらを重ねると、烏はぎゅっと力を込めて握ってきた。
「・・・・・・」
「・・・いい笑顔だな」
「・・・・・・」
一瞬だけ見せてくれた烏の初めての笑顔に、俺は素直に感想を言った。雀や鞠とは違うような感じで、繋ぐのか急に緊張してきた。
「それじゃ行こうか」
「・・・(コクン)」
赤い顔で小さく頷いた烏がやけに可愛く見えてきたなと思いながら歩いていた。こういう感じは久しぶりだなと思いながら歩いていたら。
「・・・・・」
ふむ。烏はわざとゆっくり歩き、俺との繋いでる時間を少しでも長くしようとしてるな。なので、俺も同じような歩幅になるけど。烏も雀も鞠も、まだまだ知らない部分があるんだなと思った。そりゃ付き合いは短いような気がするが、長く感じるんだな。
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