十七章 幕間劇
小さい子三人で買い出し
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て来ている客がほとんどだったけど、日焼けサロンにでも行ったかのような屈強な体を持つ漁師みたいなのがいる。漁師は喧嘩っ早いというからぶつからないように注意をしないといけない。三人のことは、俺が見てないとな。一応保護者だし、護衛だし。
「ほら、お前ら迷子になると困るから手を繋げ。鞠も雀もだ」
「はーいなの」
「雀も繋ぐ」
右手は鞠で、左手は雀だ。
「わーい、お兄ちゃんとおっかいものー♪」
「お買い物なのー!」
「引っ張らなくていいから、前向いて歩こうな」
はしゃぐ二人を牽制しながら、烏の方に視線を向けると。
「・・・・」
烏は目が合うとすぐに視線をそらす。まあ、烏の気や風の精霊で位置特定してるから迷わないだろうし。
「ねえお兄ちゃん!あそこで大きなお魚を売っているよ!あれ、なんてお魚かなあ」
「一真、あれは何なの?ほら、串に刺さった平べったいもの」
「ねーねー、雀、あのお店を見てみたい!ほら、千代紙で作ったおもちゃがたくさんあるよ!」
「おい!引っ張るなっつうの!」
と言いながら、走り出そうとした鞠と雀を止める。今は買い出しの物が最優先だし。
「あっ!あっちにも可愛いお店が・・・・」
駆け出そうとした雀の肩を烏が、掴む。
「・・・・・」
「あっ!ご、ごめんなさい・・・・」
「なんて言ったの?」
「お兄ちゃんに迷惑かけるなって、怒られちゃった」
「にゃ?一真、迷惑なの?鞠たちの事、迷惑なの?」
「そういうことじゃなくてだな、勝手に行かれては俺が困るわけだ。おとなしくしてろよ、ということだよ。鞠」
「なら、いいの」
烏が言いたいことを鞠に伝えたあとに、しばらく歩いていると、二人は同じ方向に行く。
「甘い匂い!」
「甘い匂いがするの!」
「本当だな。何の店かな」
匂いの元をたどると、お団子屋だった。店頭には、大きなみたらし団子がある。みたらし以外にも、あんこ、みそ、しょうゆ、きなこなど色んな種類のお団子が並んでいた。
「お団子!お団子、お団子、お団子!」
雀が店の前で、ぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「美味しそうなの!おなか空いたの!」
「ふむ。これは美味そうだから、一本ずつもらうか?」
「さんせーい!お姉ちゃんも食べるよね?」
「・・・あれ?烏はどこなの?」
烏は隣を見たらいなかったが、俺と雀が発見した。
「あっ!お姉ちゃん、ずるい!」
「いつの間に買ったのかよ」
しかも抱えてた皿の上には、一人では食べれなさそうな量であった。
「烏、それ全部食べるつもりか?」
「(こくん)」
「お姉ちゃん、甘い物には目がないの。これぐらい
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