十七章 幕間劇
小さい子三人で買い出し
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
赤くなった烏。そこがかわいいんだけどな。
「それなら安心ですね。一真様は、お強いですし。二人の護衛をしてくれるなら助かります」
「えーっ!お兄ちゃんはお姉ちゃんと雀が守ろうと思ったのに!」
「第一、烏が持っているのは中遠距離の鉄砲だろうに。俺が持っているこれは零距離から撃てるからな」
と言ったら、渋々納得したようだった。で、ポジション的には二人の真ん中に俺という事になったが。
「だったら、鞠も行くの!」
「いつの間にいたんだ、鞠」
いついたのか分からないが、鞠がひょこっと梅の後ろから顔を出した。
「鞠は一真より弱いかもしれないけれど、一真が戦うときは安心して戦えるようにしたいの!」
「そうですわね!ハニーが戦っているときは鞠さんがいたほうが安心ですものね、雫さん」
「そうですね、鞠ちゃんがついていくのなら安心です」
「ふふっ、決まりなのー!」
二人の護衛を俺と鞠で任せることになったのか、安心した梅と雫。まあ、賑やかなのはいいことだし、その提案を受けた。一応確認として拳銃の点検はさっきやったし、ナイフも持っている。
「ということなので、烏も雀も、鞠のことをよろしくなの」
「うん!」
「・・・・」
烏が首を振ったのを見て、雀がはっとして口を押えた。
「えっと、はい!鞠様!」
ああ、そうかなるほどな。二人から見ると、鞠はかなり身分が高い存在なんだっけな。俺は鞠や一葉よりも上な存在だけど、あんまり気にしてないんだよな。神の姿である大天使化と大閻魔化になると言葉が変わる。
「お姉ちゃんと雀のことも、よろしくお願いします!」
「(ぺこり)」
二人がやや緊張した面持ちで、鞠に向かって頭を下げる。
「二人とも、鞠のことは鞠って呼んで欲しいの。鞠も今は一真隊の仲間だから、気を遣われるのは嫌なの」
雀が、顔色を伺うように烏を見る。少しの間の後、烏が頷くと、雀は飛び上がった。
「わーい!じゃあ、鞠ちゃんって呼んでいい?」
「うん、鞠は鞠ちゃんなの!よろしくなの!」
「うん、よろしくね!」
「(こくこく)」
雀と鞠はすっかり意気投合した様子だった。これは予想通り賑やかになりそうだ。と陣地を離れて、山道を歩いていた時だった。
「あ、鞠ちゃん、見て見て、あそこにどんぐりが落ちているよ!」
「鞠ね、どんぐりで独楽を作れるの!あとね、やじろべえも!」
「いいなあ、雀にも作り方教えてくれる?」
「もちろんなの。どんぐり、たくさん拾って帰るの!」
「おいおい。それは買い出しが終わってから、帰りにしろよな」
「うわあ、今、うさぎがいたの見えた?」
「え、どこどこ?見たいの!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ