暁 〜小説投稿サイト〜
戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
十七章 幕間劇
小さい子三人で買い出し
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赤くなった烏。そこがかわいいんだけどな。

「それなら安心ですね。一真様は、お強いですし。二人の護衛をしてくれるなら助かります」

「えーっ!お兄ちゃんはお姉ちゃんと雀が守ろうと思ったのに!」

「第一、烏が持っているのは中遠距離の鉄砲だろうに。俺が持っているこれは零距離から撃てるからな」

と言ったら、渋々納得したようだった。で、ポジション的には二人の真ん中に俺という事になったが。

「だったら、鞠も行くの!」

「いつの間にいたんだ、鞠」

いついたのか分からないが、鞠がひょこっと梅の後ろから顔を出した。

「鞠は一真より弱いかもしれないけれど、一真が戦うときは安心して戦えるようにしたいの!」

「そうですわね!ハニーが戦っているときは鞠さんがいたほうが安心ですものね、雫さん」

「そうですね、鞠ちゃんがついていくのなら安心です」

「ふふっ、決まりなのー!」

二人の護衛を俺と鞠で任せることになったのか、安心した梅と雫。まあ、賑やかなのはいいことだし、その提案を受けた。一応確認として拳銃の点検はさっきやったし、ナイフも持っている。

「ということなので、烏も雀も、鞠のことをよろしくなの」

「うん!」

「・・・・」

烏が首を振ったのを見て、雀がはっとして口を押えた。

「えっと、はい!鞠様!」

ああ、そうかなるほどな。二人から見ると、鞠はかなり身分が高い存在なんだっけな。俺は鞠や一葉よりも上な存在だけど、あんまり気にしてないんだよな。神の姿である大天使化と大閻魔化になると言葉が変わる。

「お姉ちゃんと雀のことも、よろしくお願いします!」

「(ぺこり)」

二人がやや緊張した面持ちで、鞠に向かって頭を下げる。

「二人とも、鞠のことは鞠って呼んで欲しいの。鞠も今は一真隊の仲間だから、気を遣われるのは嫌なの」

雀が、顔色を伺うように烏を見る。少しの間の後、烏が頷くと、雀は飛び上がった。

「わーい!じゃあ、鞠ちゃんって呼んでいい?」

「うん、鞠は鞠ちゃんなの!よろしくなの!」

「うん、よろしくね!」

「(こくこく)」

雀と鞠はすっかり意気投合した様子だった。これは予想通り賑やかになりそうだ。と陣地を離れて、山道を歩いていた時だった。

「あ、鞠ちゃん、見て見て、あそこにどんぐりが落ちているよ!」

「鞠ね、どんぐりで独楽を作れるの!あとね、やじろべえも!」

「いいなあ、雀にも作り方教えてくれる?」

「もちろんなの。どんぐり、たくさん拾って帰るの!」

「おいおい。それは買い出しが終わってから、帰りにしろよな」

「うわあ、今、うさぎがいたの見えた?」

「え、どこどこ?見たいの!」

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