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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
十七章 幕間劇
鳴子の設置×トレミーの大浴場
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やなに。手伝いとは何かなと思ってな」

「もうすぐだ。見れば分かる」

一葉と歩いていたらそこには幽がいた。

「おや、一真様」

「なるほど。そういうことか」

「な。見れば分かるだろう?」

そこで幽が積み上げているのは、ひと抱えほどのある石だ。すぐ傍に大きめの鍋があるということは。

「お湯でも沸きたいの?」

「左様でございます。公方様と、久方ぶりに湯浴みなどしたいという話になり申して」

確かに一真隊では、こういうのは欠けている。黒鮫隊は毎日入っている、そういう習慣だしな。男性と女性で分かれているが、俺の場合はどちらでもOKなんだよな。俺もたまに船に戻っては風呂に入ってるけどひよたちには何かいい匂いがすると言われるが。小谷を出発した後、金ヶ崎からの逃避行、そして海路を通って、今も野営をしている。そんな感じの移動だから、風呂の用意とかは出来るが、出来るだけこの時代に合せて準備はしなかったけど。俺以外のメンツは濡らした手拭いに身体を拭くので精いっぱいだが、俺は現代人だからか、毎日のように船に戻ると言っては風呂に入っている。ただ、越後は現代で言うなら新潟県だ。なので、肌寒い時期が来たわけだ。

「お湯なら食事のときでも用意してもらえればいいのに」

「皆も疲れておるのだ。余の勝手で湯浴みをしたいというのだから、余らで何とかするしかあるまい」

一葉も一葉なりに気を使っているわけか。それに一葉はこの先側室になる=妻になるとすると御簾中だしな。身体を綺麗にしたいという欲も出るだろう。

御簾中・・・・・高貴な身分の妻、奥さんのこと。

俺は通信機で、船に連絡を取った。一葉と幽に少し離れてな。通信すると大丈夫なようで、すぐに二人分の浴衣も用意できるとな。

「せっかく石でかまどを作る最中で悪いが、他の方法でやるとする」

「他の方法とおっしゃいますと?湯を作るのはこれしか方法がないでござるが」

「まあ、見れば分かるよ」

と言いながら、二人の手を繋いでから空間切断でトレミーの大浴場入り口に着いた。いきなりの事で驚いたが、周りを見るとここが船である事を知った二人。

「お待ちしておりました、隊長」

「うむ。俺も入るが、問題はないよな?」

「はっ。問題ありません」

「主様よ、いったい何しにここに来たのじゃ?」

俺は二人を手招きして、女性隊員と一緒に大浴場の入り口を通り、脱衣所に来た。靴を脱いでからだけどね、すぐそこにはお風呂があることに気付いた一葉。

「ここは風呂場なのか?」

「そうだ。隠していたが、俺は毎日風呂に入っていたのでな」

「なるほど。どおりで、いつもいい匂いがすのですな」

「その通り。ここは女風呂だが、俺が入っても問題はないから
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