十七章 幕間劇
ひよと買い物×未来の嫁
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様」
ひよが声をかけてきたのは、町から離れ、森に入るところだった。
「疲れた?」
「いえ・・・そうではないのですけど」
明らかに様子がおかしいな、それに声もだけど。いつもより抑え気味のような感じがするな。
「顔色が悪いな、少し休んでいこうな」
「・・・はい。それじゃ・・・・ちょっとだけ」
無理やりだけど、繋いだ手も放そうとしない。これが、ころが気にしてた元気のないひよのことか。確かに明らかに変だな。いつも見てきたが、ここまでとはさすがに気付かなかったな。
「ひよ。何か悩んでるのか?周りを気にしているようだが」
「やっぱ分かりますか。一真様は平気なのですか、この森が」
「平気だけど、何かあるのか?」
「みんなには内緒ですよ。私は小っちゃい頃からころちゃん達とこんな森でずっと遊んできたから、今まで怖いなんて思った事なかったんですけど・・・・」
むしろ、森の中に入るとひよは生き生きしてたしな。
「この間の金ヶ崎で、鬼と戦ったから・・・・」
「なるほどな。そういうことか」
「はい。行きは明るかったし、一真様ともお話ししてましたから、平気だったんですけど・・・。あの辺りの暗い所から、鬼が出てくるんじゃないかって・・・」
そう呟いてひよが指差すのは、森の中でもひときわ暗くなっている茂みの奥だ。もちろんこの辺りには、鬼はいなし。いたとしてもトレミーのレーダーに引っかかるからな。それに鬼と戦ったあとは、鬼が夢に出てくるという兵もいる。それを俺は、まとめて癒しのオーラを出して夢に鬼が出てこないようにしたり、恐怖心を克服させたりしている。ひよもそんな感じかな。
「いるはずがないって、分かってはいるんです。いるんですけれど・・・・」
「だから、ここで休むのは嫌だったわけね」
「・・・・はい。たぶん鞠ちゃんは気付いていたのですね・・・・」
「大丈夫だよ、ひよ」
「あ・・・・一真様」
俺はひよに癒しのオーラを手から与えている。左手はひよの肩を掴んでいる。わずかに震えていたが、癒しのオーラと恐怖心を無くすというのも加えてやった。
「とても暖かいです」
「今癒しの力でそうさせている。いいかい、例え鬼が出たとしても俺が守るから安心しろ。怖くなったらいつでも俺の所に来い。相談に乗ってやるぞ」
「情けない・・・・ですよね。他の皆は・・・詩乃ちゃんも、鞠ちゃんも、そんな事言わないのに・・・」
「詩乃は詩乃だ、そしてひよはひよだろう」
「でも・・・・私だって、武人のはしくれなのに・・・。こんな森が怖いなんて・・・」
「詩乃や他のみんなが羨ましいのか?」
「それは・・・・羨ましい、です。凄い作戦をたくさん立てたり、いつもしっかり
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