十七章 幕間劇
ひよと買い物×未来の嫁
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「・・・・ありがとうございます」
多分俺がどうにかできるから、鞠は護衛の任を俺に譲ったのだと思う。ひよも素直に喜んでいるからな、とりあえず鞠の案に乗ったほうがよさそうだ。
「それじゃ、雫、鞠。行ってくるな」
「鞠ちゃん、雫ちゃん・・・・ありがとね」
「お土産楽しみにしているの!」
「二人とも気を付けて行ってきてくださいね」
そして、陣から放れて歩いているところだった。
「それでひよは何を買いにいくんだ?食料ならこちらが準備できるはずだが」
「食料は問題ないのですが、他の細かい物が足りなくて」
「そうか」
食料に武器弾薬と軍資金などはこちらが出しているから問題はない。でも、一真隊の都合で必要な物は自分で調達するということか。
「服や薬、あとは武具の手入れ道具も、色んな所で足りないって話が」
「そういえばそうだったな。食料や武器弾薬はこちらが用意するけど、細かくは用意してないからな」
「まあ、そうですね。薬も本来ならそちらからなのですが、合わないと思いまして」
服とか薬も、現代から持ってきた物だ。合う方がおかしいしな。そういう細かい所に気が付くのも、荷駄隊を管理しているひよだからか。
「そういえば一真隊ができた頃は、こうやって色々買い物に行ってたな」
「ですねぇ・・・・。ふふっ。何だか懐かしいです」
「懐かしいって言ってもあんまり経っていないような気がするが」
「そうなんですよね・・・・。でも、もうずっと前からこうやって一真様と一緒だった気がします」
感覚的には俺もそう思うんだけどな。
「いつからだったか、改めて振り返ると、ほんの少ししか経ってない気がするんだよな」
「そうそう!」
そんな事を呟きながら、ちらりと目に入ったのは、ひよの歩みに合せて揺れているひよの細い手だ。
「あ・・・・・」
「昔はこうやって歩いていたもんな?」
揺れるその手を軽く握れば、ひよも自然と指を絡め合わせてくれた。
「もぅ・・・。一真様も、昔って言ってるじゃないですかー!」
クスクスと笑い合いながら、俺達はゆっくりと町へと歩いていく。その無邪気な様子は、一真隊ができたばかりの頃と何も変わらないように思えるが、心の中には何かあるんだろうか。
「まいどありがとうございました!」
「では、また後で取りに来ます」
「はい。お約束の日までに一式、整えさせて頂きます」
「これで武具関係は終わりっと」
書き出された一覧を見ながら、俺達が歩いているのは町の目抜き通りらしき場所だ。
「後は細かい物ばかりですね」
尾張の市ならぐるりと回れば一通りの事で終わるが、ここは知らない土地だ。でも幸い上に船が
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