十七章
長尾勢と交渉
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らえるかな?」
「何の御用ですか?御大将でしたら、あまり機嫌は良くありませんけど」
そりゃそうだろうな、養子とはいえ娘が人質にされているんだから。あと、よく見ると秋子もあまり機嫌が悪く見えるけど。
「大事な話がある、それに九頭竜川で会ったが主導権はこちらが握っている。会う会えない関係無しでも進ませてもらうぜ」
「・・・・・・・」
そう言っても黙ったままの秋子。最終手段としてこいつらを見せることも可能だしな。たとえ俺一人でも帰されはしないはず、隣に一葉がいなくてもな。
「・・・・・・♪」
一葉をちらりと見れば、なんだかものすごく得意げな顔をしている。俺が主導権を握っていると言ったからなのか、連れ来たからなのかはわからん。
「ふむ。では、こいつらが会いたいと言ったら?」
と言って、目だけ神の力を発動させて俺の両腕にいる帝釈天と毘沙門天と俺の一歩後ろにいる持国天、広目天、増長天。一葉たちにも見えるようにしたら、驚いていた一葉と幽、それに秋子も。もし、こいつらが美空を拒否したら毘沙門天の加護が無くなると思ってのかな。
「・・・・分かりました。確認を取って参りますので、お待ちください」
やがて秋子は近くにいた兵を呼ぶと、奥に使いを出してくれた。
「お兄ちゃん、これからどうするの?」
「さあな。最悪の場合は帝釈天と四天王が決めることだ。美空のお家流として使われるか、それともその契りを解除するか」
「あの者のお家流として使われるのは、仕方がなくでやっています。なので契りを解除するのはどうかと」
俺はその時はその時だと言ってしばらく待つと、美空に会うことが出来たが警戒しているな。
「・・・・・・・・・」
使いの兵に案内されて、陣の奥に行けたけどな。
「あれ?また来たんすか?って護法神四天王がいるっすよ!」
「・・・なに?忙しいだけど」
顔を合わせて早々、不機嫌な一声だ。
「お兄ちゃんの代わりとして言うけど、その忙しいことを手伝ってもいいと我らの兄は言ってるんだけど」
「毘沙門天?どういうこと?」
「一真隊は美空の春日山城奪還に手を貸すということだ」
「何?長尾景虎が織田に泣きついたって『主導権はどっちが握ってるのか分かってるの?』そうだったわね」
「お前らだけでやっても構わんが、こちらがやった方が楽になるぞ」
「うさんくさ。でも一葉様もいるんだから、そこまで失礼な事はできないわよ。でもこれ以上もったぶるなら突き返すわよ」
「こいつらの目の前でよくそんなことが言えるな。突き返してみたらどうなるのか分かっているのか?まあいいとして、こちらの頼みは鬼との戦いに手を貸してほしい。ただそれだけのこと。だが、今の関係なら信じて
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