十七章
一真隊の考えと新たな隊員
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「・・・・とまあ、現状はこんな感じだけど。黒鮫隊の力はまだ隠しておいて、俺は長尾勢を味方に付けたいと思う」
「私たち一真隊はハニーのお気持ちに従うだけですけど・・・・」
「足利衆も異存はないぞ。お主らも良いな?」
「八咫烏隊は、貰えるものさえ貰えれば!あ、それともうちょっとお給金を上げてくれればやってやんよ!ってお姉ちゃんが言ってまーす!」
「・・・・・・」
「何か言いたそうな顔をしていらっしゃいますが?」
「姫路衆も一真様のお考えに異論はありません」
「となると・・・・」
「・・・・・」
皆の視線を向けられて、小波は居心地悪そうに身を縮めている。
「小波が悪いんじゃないから、気にすんな」
「申し訳ありません・・・・」
「松平衆は反対なんですか?」
「葵たちは、長尾を味方に付けるよりも、急いで三河に戻って迅速に戦力を整えた方が、民の被害は少ないだろうという風に考えているだろうな」
「確かにそれも正しい判断と言えなくもありませんが・・・・難しい所ですわね・・・・」
「今回の敗因も、越前入りまでの時間を掛け過ぎたからだと考えているようだし」
「・・・・否定はできませんね」
時は金なりとも言うが、今回は時間を多く相手に与えてしまったのもあるかもな。それに閻魔の愚痴が止まんないとも言っていたが、悪人というより鬼になった者の処罰を考えているようだと死神が言ってたな。
「確かに、越前討ち入りのときに時間は掛け過ぎ、相手方に対応する猶予を与えてしまった・・・・」
「そう言えるが、こちらだって対応策は考えていた。最悪の場合は、神の力と黒鮫隊の全力で倒す予定でもあった。でもそうしたら、兵たちに否定の声が出る。だからあえてそうしなかったし。それに久遠の考え方に否定はしない」
今回の敗北は、地面から来ることは予測していたが、逆に考えれば準備もロクにしなくて戦っても同じことなんだと。ただし、今回の敗北は拙速したからであると俺は思うが。それに拙速しすぎたらもっと悪い方向に進んでいた。
「で、皆に問いたいが、これからどう見る?」
「越後勢を味方に引き入れる、その方針はお変わりないのですよね?」
「そこは変えない。ただこのまま無駄に時間を使えば、葵の言うとおりになる可能性もある」
一真隊は幸い、傷の癒しは必要ない。無傷の俺たちがやれるなら、やることもあるはず。黒鮫隊の者たちも、九頭竜川に行ったあとは、IS部隊で歩兵部隊と共に撤退した。撤退した者たちは疲れをとるために休んでいる。
「ふむ・・・・では積極的に美空を助けると?」
「どこまでやっていいか分からないが、俺はこいつらを使っての仲介をしたい。そして信用させて信頼を得る、それだけだ」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ