十七章
加賀から越中と越後の国境
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させているし。それに、神界に戻らなくても神の力を回復するドリンクを飲んだおかげで何とかなった。それにしても、あの長尾という奴は、主導権はこちらが握っているけど越後までの道のりを知らないから黙ってついて来てください、久遠とは繋ぎをしないでください。というふうに敬語で、言ってきたからな。疲れてはいないから、こちらは元気いっぱいだし。それに上には船がいる。あと長尾勢はたった3人で、さっきの少女とあと1人
のお付の者と美空だけだ。美空は鬼の群れを一瞬で滅ぼす技があるが、あれはあくまで帝釈天たちが仕方がなく力を貸していることだ。俺の全力だったら、一瞬にして滅びると思うしな。今の状況で変な動きをしても、大丈夫だろう。人質ならともかく俺は自由だし。
「一真様ー!」
「一真隊全員の告知、終わりました」
「ご苦労であった。ひよにころ」
「どうしたんですか?」
「風邪の対策。この先は船だって言うが、それで体調を崩されたら話にならない」
今は俺が回復をしたからいいけど、船で体調を崩されたら、医療班を出すが。美空にはまだ黒鮫隊の存在を隠した方がいいと思ってな。
「ハニー・・・・」
「今は出来ることをする。あと黒鮫隊については内緒だ」
黒鮫隊の力欲しさに、俺を倒すとか言っても無理な話だけどな。その前に夜叉たちが俺を守ってくれる。
「その方がよさそうですね。黒鮫隊の力は隠した方がいいですわね」
「歌夜。幾つかの注意すれば有効だから、この事、葵や松平衆にも伝えてあげてくれる?」
「はい。お任せください!」
そんなことがあってしばらくしたあとだった。
「ぁぅ・・・・まだ足元がゆらゆらしてる気がするの」
「固い地面とは、かくも素晴らしいものなのですね・・・・」
日本海の荒波に対して、俺は結界を張り船酔いしないようにしていた。なので、船酔いはしなかったが、無事に越中と越後の国境にある魚津の湊に着いたのであった。
「ここからはまた歩きになるそうだ」
船酔いを避けるべく、力を使ったから疲れてはいない。船旅のおかげで休めたという兵もいる。それと防寒と水分の取り方をレクチャーしたお陰か、体調を崩す者はいなかった。体力は自然と回復したそうな。とそんなことを考えていると、何やら湊の入り口の方が騒がしくなってきた。帝釈天たちは人の目には見えない程度にしていた。
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