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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
十六章 後編
戦後
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たな。我の事をあまりなめないでほしいな、ということで我らは越後に行く。それでいいな、諸君?」

「ご随意に・・・」

「一真、それは明日に繋がるのか?」

我は頷くと、森の二人は頷いて下がる。そして逃げないことを約束してから、大天使化を解いた。その後、拘束しようとしたが、俺の銃で何とかなった。危機は脱したが、犠牲はなかったからよかった。

一方、逃げ落ちた久遠達は。

「久遠、落ち着いた?」

「・・・・ああ。皆はどうした・・・・?」

「壬月と麦穂の二人が、今は傷を癒すことが先決だって、色々とやってくれているわ」

「そうか・・・・で、一真はどうした?」

「・・・・・・」

「どうした?あやつはまだ帰ってきていないのか?」

「・・・・久遠。気を強く持ちなさい」

「な・・・・に?」

「一真は行方知れずよ。・・・・本陣を逃がすために、鬼を引き連れて、別方向に退却したそうよ」

「な・・・・なんだとっ!?どうしてそれをすぐに言わない!結菜、今すぐ兵を再編するのぞ!一真を助けに行くのだ!」

「ダメよ」

「なんだとっ!?」

「冷静になりなさい、久遠!」

「・・・・っ!!」

「・・・・一真がなぜ本陣を逃がすように、殿を務めたのか。その意味を考えなさい」

「意味、だと・・・?」

「そうよ・・・・一真はまず第一に、久遠。あなたの身を守るために動いた。恋人だから?そういうのも、もちろんあるでしょう。それに神様だからなのかもしれないけど、こう考えているはずよ。久遠ならすぐに態勢を立て直し、鬼達を駆逐してくれるって信じている。だから久遠を逃がすんだと。そう考えているはずよ」

「我は・・・・我はそこまで、強くない・・・・」

「うん、知っている。・・・・多分ね、一真もそれを知っていると思う。一真もかつてはそうだったと思うわ。自分の弱いところを見つめて、受け入れて・・・・でも弱い所をそのままにするのではなく、乗り越えようとする。久遠も乗り越えられるって、本気で信じていると思うわ」

「・・・・勝手なものだ」

「全くね。でも・・・・じゃあどうする?一真が助けてくれた命を大切にするために、鬼との戦いに背を向ける?」

「・・・・・」

「そういうこと、出来ないよね、久遠は・・・・。だから今は前を向きなさい。一真のためにも。あなたを信じている仲間たちのためにも。前を向きなさい」

「だけど、結菜・・・・我は・・・・我は・・・・。くっ・・・・うわぁぁぁぁ・・・・・一真・・・・・一真ぁ・・・・・!」

「よしよし・・・・。全く・・・・久遠をこんなに泣かせて。怪我でもしたら承知しないんだからね・・・・」
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