十六章 後編
三昧耶曼荼羅×神々の戦い
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「やれやれ。護法五神を現世に召喚するとはまた、荒唐無稽のお家流だな・・・・毘沙門天と繋がったらしいとは聞いていたが」
「刀をたくさん召喚する人に、荒唐無稽と言われるとは、長尾殿も不憫ですなぁ」
「樹木を操るお家流を使う、エセ風流人が言う言葉でもあるまい?」
「ふむ。これは一本取られましたな」
「すごいのー!かっこいいのーっ!でも一真のときの方がもっとかっこよかったの!」
そう、帝釈天と四天王を見るのはこれが初ではない。随分前に、一真が召喚したことがあった。戦う時と、半透明であるが現世に召喚されたこともある。帝釈天と四天王たちに言わせるなら、一真は創造神であり兄である。少女のお家流を見て盛り上がる仲間たち。
「帝釈、ごめんねー。初のお披露目だから派手に行きたくって」
片目を瞑り、戯けた様子で謝る少女に帝釈天は重々しく頷き返した。この少女は帝釈天と四天王を召喚はできるが、喋れない。おそらく、この少女だけ聞こえているんだろう。少女のお家流らしいからな。
「さぁみんな!日の本の法を守る神として、異形の者どものを皆殺しにしてあげましょ♪さぁお行きなさい!私の可愛い妹たち!」
少女の言葉と同時に、戦装飾に身を包んだ帝釈天と四天王が、光の如く、鬼達に向かって疾走った。でも、帝釈天と四天王は思った。あなたの妹ではないと、それと我らの主は一人で戦っている創造神様なのだと。そう思いながら行く。
「すごいな、あれは。ワシでもあんなのは無理だな」
光の玉が走るたびに、あちこちから聞こえてくる鬼の断末魔。夜闇の中を走る光が触れる度に、目に見える速度で鬼達が蒸発していく。
「おいおい、こんなの反則技じゃねーか。でも一真だったらできそうだな、なぁ母ぁ!」
「うむ。それに一真は・・・・とこのことは内緒だったな」
桐琴が何かを言いかけたが、ここに部外者がおるからあえて言わなかった。小夜叉は反則だなとか言いつつも、一真ならできそうだとか言っていた。他の者たちも頷きながら。
「んー・・・・数が多いわねー。めんどくさいから纏めて殺っちゃおっか」
そんな物騒な呟きに呼応するように、戦場を走っていた光玉が、鬼を囲むように移動した。
「三昧耶曼荼羅!」
少女が発すると同時に、籠目紋が天に向かって強烈な光を発する。
「鬼が・・・・蒸発していく・・・・?」
「凄い・・・・・」
「ふぁー、きれー・・・・」
「・・・・ふぅ。はいおしまい。みんなお疲れ様。戻って良いわよ」
「御大将、お疲れ様っすー!大活躍っすねー!でも柘榴の分も置いといて欲しかったっすー」
「あ、ごめん。忘れてた」
「ひどいっすーっ!」
少女の部下がぶーすかと盛大に不満を漏らしていた。そんな
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