十六章 後編
撤退戦の作戦会議
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ったのに愉快だぁ。ふざけるのもいい加減にしろ、今はふざけてる状況ではないぞ!この女狐がぁ!」
言いながら、殺気と覇気を解放してから、お仕置きをした。ハリセンで。本来なら、四つん這いにさせてからケツに鞭ではたこうかと思ったが、今はやめておこう。あと鞭も馬用の鞭の方がよかったかな。
「で、仲間の状況は分かる?」
「先鋒を務めていた森衆と我ら松平衆の他は、久遠様を守って西に落ちていくのを確認しております」
「鬼に追われて彷徨っている間に、友軍らしき影を見たことはありません」
「悠季の言う通りです。・・・・鬼の動きから見て、この周囲にはすでに友軍はいないと判断しておりますが・・・・」
「うむ。船で確認したが、この周囲に友軍はいないことをな」
だとすれば、この辺りにいる鬼全てが俺たちに襲い掛かってきたのであろうな。これぐらいだといいんだけど、まだ増えるのなら、神の姿になって戦わないといけないな。こいつらを逃がしている間に、神を召喚して戦うかな。
「葵。俺たちは加賀に向かうとする。協力してくれ」
「加賀に向かい、その後は?」
「南下して美濃に向かいたいが、本拠地である美濃に鬼を連れて行くわけにはいかない。遠回りになるが、加賀を通り抜けて越中に入り、南下して信濃を通って美濃という道のりで考えている」
でも、これだとあいつには会えないからな。帝釈天と四天王を召喚する人間のもとに行くには。あの道具を帝釈天たちに渡した意味がない。この道乗りはかなり時間を使うが、一葉の言うとおりやらなければならない。
「ザビエルとやらは、この度の戦の結果を受けて、越前のような国を増やす動きを早めるだろう。その動きに対抗するためにも、余らは主様の力を借りて生き残り、久遠達と合流して反撃に移らねばならん」
「そうですね。この日の本の平和を守るためにも・・・」
しばし考え込む素振りを見せた葵が、小さく頷いた。
「よし。ではこれより作戦を説明する。詩乃」
「御意。松平衆は陣を畳んだ後、蜂須賀衆と合流し、本隊を形成してください。その本隊を主力と致します。ひよ率いる小荷駄隊と工作組は、黒鮫隊の何人かと先行して退路を確保すると共に、柵を打ち立てて簡単な陣を作りながら、加賀に向かわせます」
「なるほど。その陣に籠りながら、敵を押し返して行くのですな」
「そうです。柵があるのと無いのとでは、防御力に雲泥の差が出ますからね」
「さすが今孔明。素晴らしい策ですな『パシィィィィィィィイン!』うぅ・・・」
「この阿呆。詩乃は今孔明と呼ばれるのがとても不愉快なんだよ。二度と呼ぶなよ、女狐」
女狐は俺のハリセンをまた喰らったからか、静かになった。あと、一葉は聞こえないように柵だけになとか言ってたがまあ
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