十六章 後編
反撃
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鬼達は爪を立てて岩肌を抉り、切り立った崖を這い上がるようにしてころたちの背後を衝こうとした。俺は風術で、空に上がり風の刃を放つが、威力が足りなかったのか鬼達を瞬殺まではできない。と思ったら声が聞こえた。
「ひゃぁぁぁっはぁぁぁーーーーーーーーーーっ!」
おお。俺は崖の上に行こうとしたら聞き慣れた声が聞こえた。雄叫びと共に、水平に切り立った崖を真横に切り裂くように灰色の崖肌を黄色い閃光が駆け抜けた。
「小夜叉ーーーーーーーー!」
「ちんくしゃっ!?しかも崖を水平に走っているとか、あのちんくしゃ、人間ですのっ!?」
「まあ、隊長もできるでしょうね」
俺は崖を水平に走ってくるので、剣を構える。
「一真!オレ達で真っ二つにしてやんよぉーーーーーーっ!」
「おうよ!行くぞ、小夜叉!」
鬼達に向かっている小夜叉が、構えた人間無骨を振り払う。俺も斬撃を飛ばしながら、小夜叉の援護に向かう。
「一真!放れろ!小夜叉流ぅぅぅ!刎頸二十七宿ぅぅーーーーっ!」
噴火にも似たような音と共に、小夜叉を包み込む氣が一気に爆発する。
「おらぁぁーーーーーーっ!」
雄叫びと共に、手に持つ人間無骨が一段と高鳴り、高周波音を放つ。俺は小夜叉に合せるべく剣を輝きだしての光の剣となり崖を斬り裂く。その間に下にいる者達の退去命令を出したけどね。
「な、なんですのこの音!?」
「ぬぅ!?見ろ!崖がっ!」
一葉の言葉に、皆が一様に崖を見る。すると、小夜叉の手に握られていた人間無骨と俺の剣が伸びていた光の剣が、岩肌に食い込んでいた。少しも引っかかる手応えもなく、食い込んだ二つの光の剣がするりと岩肌を削る。
「全員!退避しろ!」
幸い黒鮫隊がいたからか、俺の指示に答えるようにして退避した。なので、退避しながら鬼を駆逐してから前に出た。
「「いっけぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」」
で、まあ先に退避させといたし、IS部隊がいるから兵たちの防御にはなった。兵に近づくものはシールドビットとソードビットで迎え撃つ。
「ひぇぇぇ・・・・」
「あ、あはは、崖が・・・・・崖が落ちてきたよぉ」
「な・・・・・なんとか助かりましたわ。黒鮫隊の皆さんのおかげです」
そして、俺は素早く着地する。まあデカい岩というより崖?それが落ちてきたんだからな。鬼達も呆然としていたが、チャンスだと思い攻撃を続行させる。落ちてくる岩の破片に飛び移りながら、小夜叉は地面に降り立った。
「一真。オレと同じ技だったが、息を合わせたな」
「おうよ。それより生きていてよかったぜ」
俺と小夜叉はいつも通りの会話なのか、仲間たちは呆然している。しかも俺と小夜叉の同時攻撃で、崖を落としたからな。
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