十六章 前半
後方奇襲からの対策
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
る月中基地に配備されている。
「それにもし鬼達が本陣を狙って奇襲をしたら・・・」
「来たら、どうなりますの?」
「持ちこたえて、久遠を安全圏に逃がす。それしかないだろう」
奇襲に備えても、相手は人間の数倍を持つスペックを持つだろう。普通の場合だが、俺たちの兵器でやれば一真隊が危なくなったとしても、IS部隊の者達がシールドビットにより守るからな。それにISは現代兵器を上回る物だ。それに女性しか使えないという欠点ではあるが、野郎どもにとっては別に不愉快だとは思っていない。一真隊に足利衆や姫路衆を加えても、その数には勝てない人数だ。しかし、ISでの攻撃なら1人で戦えるしな。サバーニャだったら得意中の得意だし。
「もし本当に背後からの奇襲があったとして、退路が断たれます。そうなったらどうやって久遠様を逃がすのですか?」
「それについては考えはあるが、ここは詩乃に譲ろう。軍師の意味がないからな」
「ありがとうございます。一真様が完璧な作戦があるならば、あなたを支える幸せを噛みしめられませんから」
言いながら、詩乃は前髪を弄っていた。目を瞑り、微動だにしなかった詩乃はやがて、目を開ける。
「・・・・小波さん」
「はっ」
「物見に出ている小波さんなら、この辺りの地理をある程度把握出来ていると思います。それを教えてください」
俺の方をチラリと見て、許可を取る素振りをしていたので頷いた。それに、俺たちのだと地図では物見に出た小波に申し訳ないしいしな。
「・・・・ではお話致します」
頷いた小波が、江北から一乗谷に至る大道や、山の中を縫い走る小道の詳細を詩乃に伝えた。その情報も俺たちは、沙紀や俺が持っているスマホで分かるんだけどな。衛星カメラで見てるから。
「なるほど。分かりました」
頷き、しばし思案していた詩乃が、口を開く。
「背後からの奇襲を足利衆、姫路衆を含めた一真隊と黒鮫隊の者で受け止めた後、すぐに本陣へ使番を出し、今から言う退路を指示して下さい。一真様、船からの監視をしていますよね。詳細な地図をくれませんか?それで退路図を書いてくれませんか?」
「よかろう。沙紀」
「はい。すぐにこの辺りの地図と退路図を言って下さい」
と言って、スマホをボイスレコーダーにして詩乃の言葉で作成した。退路図はこうだった。
「退路は一乗谷より西。一度、敦賀に向かい、そこから南下して朽木谷を通り、京に向かう。・・・・これが比較的安全且つ最短の道となるでしょう」
「敦賀は大丈夫なのかな?」
「一度去った鬼が戻っている可能性もありますが、奇襲してきた部隊を突き抜けて南下するより、まだしも安全でしょう。朽木谷に辿り着けば、ほぼ危地を脱したと見て間違いないでしょう」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ