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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
十六章 前半
後方奇襲からの対策
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る月中基地に配備されている。

「それにもし鬼達が本陣を狙って奇襲をしたら・・・」

「来たら、どうなりますの?」

「持ちこたえて、久遠を安全圏に逃がす。それしかないだろう」

奇襲に備えても、相手は人間の数倍を持つスペックを持つだろう。普通の場合だが、俺たちの兵器でやれば一真隊が危なくなったとしても、IS部隊の者達がシールドビットにより守るからな。それにISは現代兵器を上回る物だ。それに女性しか使えないという欠点ではあるが、野郎どもにとっては別に不愉快だとは思っていない。一真隊に足利衆や姫路衆を加えても、その数には勝てない人数だ。しかし、ISでの攻撃なら1人で戦えるしな。サバーニャだったら得意中の得意だし。

「もし本当に背後からの奇襲があったとして、退路が断たれます。そうなったらどうやって久遠様を逃がすのですか?」

「それについては考えはあるが、ここは詩乃に譲ろう。軍師の意味がないからな」

「ありがとうございます。一真様が完璧な作戦があるならば、あなたを支える幸せを噛みしめられませんから」

言いながら、詩乃は前髪を弄っていた。目を瞑り、微動だにしなかった詩乃はやがて、目を開ける。

「・・・・小波さん」

「はっ」

「物見に出ている小波さんなら、この辺りの地理をある程度把握出来ていると思います。それを教えてください」

俺の方をチラリと見て、許可を取る素振りをしていたので頷いた。それに、俺たちのだと地図では物見に出た小波に申し訳ないしいしな。

「・・・・ではお話致します」

頷いた小波が、江北から一乗谷に至る大道や、山の中を縫い走る小道の詳細を詩乃に伝えた。その情報も俺たちは、沙紀や俺が持っているスマホで分かるんだけどな。衛星カメラで見てるから。

「なるほど。分かりました」

頷き、しばし思案していた詩乃が、口を開く。

「背後からの奇襲を足利衆、姫路衆を含めた一真隊と黒鮫隊の者で受け止めた後、すぐに本陣へ使番を出し、今から言う退路を指示して下さい。一真様、船からの監視をしていますよね。詳細な地図をくれませんか?それで退路図を書いてくれませんか?」

「よかろう。沙紀」

「はい。すぐにこの辺りの地図と退路図を言って下さい」

と言って、スマホをボイスレコーダーにして詩乃の言葉で作成した。退路図はこうだった。

「退路は一乗谷より西。一度、敦賀に向かい、そこから南下して朽木谷を通り、京に向かう。・・・・これが比較的安全且つ最短の道となるでしょう」

「敦賀は大丈夫なのかな?」

「一度去った鬼が戻っている可能性もありますが、奇襲してきた部隊を突き抜けて南下するより、まだしも安全でしょう。朽木谷に辿り着けば、ほぼ危地を脱したと見て間違いないでしょう」

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