十五章 幕間劇
夜食
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綾那も食べたいです」
「いいよ。二人とも、たくさんお食べ」
「はい・・・・」
「はいです!」
で、しばらくすると、満腹になったのか笑みでいる綾那と歌夜。
「美味しかったです。ごちそうさまでした!」
「ごちそう・・・・さまでした・・・・」
ふむ。三人で分けて食べたはずなのに、全然食べた気がしないな。俺が食べた後の箸で歌夜の口にご飯を運ぶのが、頭に焼き付いてしょうがない。
「一真様・・・・すみません。ご迷惑でしたよね?」
「そんなことはないよ。気にするな」
「ですが、一乗谷を控えてお疲れなのでは?綾那、遊ぶ約束はまたにして、今日は帰りましょう」
「そうですね・・・・。一真様、明日は頑張るですよ!」
「そうだな。明日は決戦だ!」
まずは明日を乗り越えなければならない。何が起こるかは分からないが、準備だけはしておこう。
「それでは、失礼します」
「あ、歌夜」
陣を去ろうとする二人を止めた。
「はい?」
「それと、綾那も」
「なんですか?」
「明日が終わったらさ。またみんなで遊んで、ご飯を食べような?」
「またあーんしてくれるですか?」
「そうではなくてだな。みんなでちゃんと席を囲んで、一緒にご飯を食べようかということだが?」
「え・・・・・・・」
「ん?俺、変な事言ったか?」
「え、あ、いえ・・・っ。そ、そうですね。今度はみんなで、ご飯食べましょうっ」
「変な歌夜なのです」
「そ、そんなこと・・・・ないよ・・・・」
綾那はまたあーんがいいので歌夜も聞いてみた。小さな声だったが、ちゃんと聞こえたのだが様子がおかしい。歌夜はぺこりと頭を下げると、綾那を連れて足早にその場を去って行ったのだった。まあ、ああいう歌夜もいいなと思いながら、トレミーに戻ろうとしたが、風の精霊が陣地を去った二人の会話を聞いていたそうだ。
「・・・・どうしたのですか?歌夜」
「え、あ・・・・ううん。何でもないよ」
「そうですか?何か、顔が赤いみたいですけど・・・・お風邪ですか?」
「大丈夫だってば。それを言うなら、綾那だってちょっと顔が赤いよ?」
「綾那は一真様と遊べて楽しかったですから!それに一真様と一緒にいると、心の臓のあたりが、ほーってあったかくなるのです」
「あ・・・うん。・・・そうだね」
「歌夜は楽しかったですか?」
「う・・・・・うん」
「あら、どうしたの二人とも。こんな時間まで夜遊び?・・・・呑気なものねぇ」
第三者の声が聞こえたと思ったらこいつは女狐か。たく、ムードぶち壊しだぞ。やっぱり俺が調教しなければダメかな。ちなみに俺は風の精霊と一緒に女狐の真上にいる。
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