十五章 幕間劇
夜食
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え、ころさんのご飯が美味しいのは確かですから。ええっと、口を開ければいい・・・ですか・・・?」
「うむ。じゃあ、あーんして」
「あ、あーん・・・」
俺の言葉に従うように、歌夜はまだ顔を赤くしているけど。恥ずかしそうに口を開ける。綾那と同じように一口分のご飯を歌夜の口に入れる。
「ぁむ・・・・ん、んむ・・・・むぐむぐ・・・・」
「どう?」
「はい・・・・・。とっても・・・・美味しいです」
艶めかしく開けた口をそっと閉じた歌夜は、穏やかな月明かりの下で微笑む。
「そう。ならよかった」
「一真様。歌夜ばかりずるいです!綾那も食べさせて欲しいですよ」
「こら、綾那。一真様の分が無くなっちゃうでしょ」
「俺も食うから大丈夫だよ」
と言って、芋を口に入れて食べる。
ん、これってもしかして間接キスでもしたかな。
「どうしたですか?一真様」
「なんでもない」
これ、歌夜が食べたあとのだからなのか。嫌な気分でもするかな。さっき歌夜が嫌がってたのってもしかしてこれの事かな。
「一真様・・・・・」
歌夜。なぜにそんな潤んだ目で見るの?
「歌夜、次は綾那の番ですよ」
「わ、わかってるわよ。別にご飯が食べたいわけじゃ・・・」
「別にかまわんよ。嫌ではないのなら、気にせずに食べればよい」
「綾那ですー!」
「はいはい。綾那、あーん」
「あーん。・・・・むぐむぐ」
まあ、普通のあーんはこんな感じだろうしな。奏だって桃香たちだって、あーんして食べると笑顔になるし。
「次は歌夜な」
「ぁ・・・・・・はい・・・」
「はい、あーん」
「あーん・・・・。ぁむ・・・・・ん・・・・っ」
なんか綾那のときは普通なんだが、歌夜の場合は小さな唇の中に飲み込まれていくご飯や、舌先で絡む箸もなんかエロく見えるのは気のせいか?俺も歌夜も綾那と同じことをしているんだが、なぜだろう。
「どうか・・・・なさいましたか?」
「いや、なんでもない。美味しい?」
「はい・・・・。一真様のご飯・・・・とても美味しかったです・・・・」
そんな潤んだ目で見られると困るんだが。
「そうか、よかった。綾那は?」
「美味しかったですよ!」
「まあそうだろうけど。俺のご飯の方が美味しいんだぞ」
「そうなのです?」
「一真隊の中で料理が上手いのは一番は俺で二番目はころだ。今度は俺の手料理をご馳走してやるよ」
そしたら綾那も歌夜も喜んでいたが、今はこのご飯が食べたいわけで。
「一真様・・・・・?」
「まだ食べたい?」
俺の言葉に反応して、歌夜は頬を赤くしてこくりと頷く。
「じゃあ一真様!
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