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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
十五章 幕間劇
月見しながらの宴
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先の選定にも事欠かぬという、まさにそれがしにとっては至れり尽くせりな・・・・」

「それはそれで直接に過ぎるな」

そこまで上司の前でざっくりと本音をバラす部下なんて、そうそういないぞ。俺の部下でもいないがな。皆忠義に尽くしているし。

「全くだ。今の将軍家にそこまでの箔などあるものか」

「一葉も一葉だな」

「まあ、そういうわけにござる。それがしにも、思う所は色々あるのですよ」

「本音は?」

「こんな糸の切れた凧のような暴れん坊より、もっとお淑やかな真の姫君にお仕えしとうございますな」

「奇遇だな。余も将軍などという役目には飽き飽きしておる。まさに鷹の如く、自由に空を飛び回りたいものよ」

「公方様のお振る舞いでは、鷹は鷹でもよた・・・」

「はい。やめい!それ以上言うな」

まったくこっちが聞いていてヒヤヒヤする。どこまでか冗談でどこまでが本気かは、さすがの俺でも分からんさ。

「ふむ。ならば、双葉に譲るか」

「それは名案」

「あれか。一葉は面倒な将軍職を双葉に任せられるし、幽は一葉より双葉に仕えるということか」

「それは願ったり叶ったりですな」

「だけど、今はやる事をやるためには、一葉の力が必要だ。例え瀕死の状態だろうが死んだだろうが、俺の目の前で起こったら了承なしで蘇らせてやるから安心しろ」

「それは神の力か?」

「それもあるが、ある薬でもあるけどな」

毒とか瀕死の重傷だったら、エリクサーだけど、軽めだったらフェニックスの涙改だな。エリクサーは知ってると思うが、フェニックスの涙改は外傷や体力を回復する物だ。元々はD×D世界のを改良しただけ。あと元々大量生産が出来ないものだったが、俺の創造の能力で大量生産した。主に黒神眷属が使っているけど、エリクサーもだが。

「あとはやりたいことはあるのか?」

「ふむ。そうよの・・・まずは、ゆるりと旅をしてみたいの」

「旅ねぇ・・・」

「うむ。多くの国々を周り、噂に聞く遠淡海や富士の山、鎌倉の大仏とやらも見てみたい。鎮西にも行ってみたいしな」

「いいね。それは・・・」

「気ままな旅じゃ。朝日と共に起き、夕陽と共に眠り・・・路銀が尽きれば野盗を締め上げて・・・・」

「ははは。一葉らしいな。でも仕事はそれだけじゃないだろう。例えば用心棒とか」

「なるほど、そういう仕事もあるのか」

「喧嘩をして駄賃が貰えるなら、まっこと公方様向きの仕事かと」

「悪人を叩いてそちらからも駄賃を貰っても文句も出まいしな」

あらま、またそう言う考え方をするな。俺がいた世界では、刃物とか持ち歩いてると捕まるしな。一葉はこの戦が終わったら、用心棒になろうとしていたが、まだ将軍職はするようだ
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