十五章 幕間劇
月見しながらの宴
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
先の選定にも事欠かぬという、まさにそれがしにとっては至れり尽くせりな・・・・」
「それはそれで直接に過ぎるな」
そこまで上司の前でざっくりと本音をバラす部下なんて、そうそういないぞ。俺の部下でもいないがな。皆忠義に尽くしているし。
「全くだ。今の将軍家にそこまでの箔などあるものか」
「一葉も一葉だな」
「まあ、そういうわけにござる。それがしにも、思う所は色々あるのですよ」
「本音は?」
「こんな糸の切れた凧のような暴れん坊より、もっとお淑やかな真の姫君にお仕えしとうございますな」
「奇遇だな。余も将軍などという役目には飽き飽きしておる。まさに鷹の如く、自由に空を飛び回りたいものよ」
「公方様のお振る舞いでは、鷹は鷹でもよた・・・」
「はい。やめい!それ以上言うな」
まったくこっちが聞いていてヒヤヒヤする。どこまでか冗談でどこまでが本気かは、さすがの俺でも分からんさ。
「ふむ。ならば、双葉に譲るか」
「それは名案」
「あれか。一葉は面倒な将軍職を双葉に任せられるし、幽は一葉より双葉に仕えるということか」
「それは願ったり叶ったりですな」
「だけど、今はやる事をやるためには、一葉の力が必要だ。例え瀕死の状態だろうが死んだだろうが、俺の目の前で起こったら了承なしで蘇らせてやるから安心しろ」
「それは神の力か?」
「それもあるが、ある薬でもあるけどな」
毒とか瀕死の重傷だったら、エリクサーだけど、軽めだったらフェニックスの涙改だな。エリクサーは知ってると思うが、フェニックスの涙改は外傷や体力を回復する物だ。元々はD×D世界のを改良しただけ。あと元々大量生産が出来ないものだったが、俺の創造の能力で大量生産した。主に黒神眷属が使っているけど、エリクサーもだが。
「あとはやりたいことはあるのか?」
「ふむ。そうよの・・・まずは、ゆるりと旅をしてみたいの」
「旅ねぇ・・・」
「うむ。多くの国々を周り、噂に聞く遠淡海や富士の山、鎌倉の大仏とやらも見てみたい。鎮西にも行ってみたいしな」
「いいね。それは・・・」
「気ままな旅じゃ。朝日と共に起き、夕陽と共に眠り・・・路銀が尽きれば野盗を締め上げて・・・・」
「ははは。一葉らしいな。でも仕事はそれだけじゃないだろう。例えば用心棒とか」
「なるほど、そういう仕事もあるのか」
「喧嘩をして駄賃が貰えるなら、まっこと公方様向きの仕事かと」
「悪人を叩いてそちらからも駄賃を貰っても文句も出まいしな」
あらま、またそう言う考え方をするな。俺がいた世界では、刃物とか持ち歩いてると捕まるしな。一葉はこの戦が終わったら、用心棒になろうとしていたが、まだ将軍職はするようだ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ