十五章 幕間劇
夜叉と酒飲み
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方がいいと思うけど。俺達戦の達人、というより戦闘が好きな集まりだからなのか、俺も黒鮫隊の者も十分に強いんだよね。
「一真と考えが一緒なら、弱るときを狙うなら、むしろ満月を過ぎてから仕掛ける方が賢明であろうな」
「まあな。冷静に考えればそうなんだけどさ。久遠は焦っているんだよ、越前の事で」
越前のことで気にしているから、早めに動いてから、満月前を狙って決着つけたいと思っているそうだけど。さっき桐琴も言った通り、俺が作戦を考えるなら満月後に狙うしな。
「ワシらは一真のように神でも仏でもないからの。許せんという気持ちは分からんでもないが、出来ん事まではどうにもならんわ」
「久遠は優しいからな。それに俺だって本当ならその気持ちも押さえたいがな」
「それで拙速を招いて味方を危機になるのなら、殿も所詮その程度。と言いたい所だが、例えこの先にいかなる罠があったとしても、ワシら森一家が食い破れば済む事よ」
「それについては頼む。俺も全力を持ってやろうと思う」
でも、俺たちはかなり後ろだからな。後ろからの奇襲には備えている。もしあったとしても、黒鮫隊もいるから安心できるだろう。
「そうだ。時に一真よ」
「何?」
「先日の殿の宣言で、ワシも恋人になっても良いと言ったな」
「あのときね。言ったよ、桐琴が良ければの話だけど」
「うむ。資格が鬼と戦う者が一真の恋人になれると聞いてから考えておった。だが・・・」
と言ったところで、俺は桐琴に抱きしめていた。桐琴は、いきなりのことだったが、逃げはしなかった。
「さすがの一真でも、これくらいは序の口だろうに」
「まあな。それに桐琴にこういうのするのは、他の者には見せたくないからな」
そのあと、抱き着いてキスをしたあとに。酒でも飲まないかといって、一緒に飲んでいた。
「ふむ。こういうのも悪くないの。いつも呼び捨てで呼んでいたが、今回はなんだかよい気分だ。手弱女にでも戻った気分じゃ」
「そうか。そういうところを言うと可愛いなと思うが」
「たまには・・・しおらしいのも良かろう?」
たまにはね、いつもは強気だけどこういう桐琴もいいな。この先も話したが、一乗谷で鬼を潰して、南蛮小僧を捻り潰すだそうだ。その後はと聞くがそいつらを倒したとしても、第二第三のザビエルが出てくるかもしれん。
「それに、そいつらを倒しても、そうそう平和など続くものではないわ。平家の世から、源氏、足利、そして織田に移り変わりつつある今まで・・・戦が無くなる事などありはせなんだ。人とは所詮そういうものよ」
確かにな。これまでの歴史でも、織田のこの先の歴史でも戦はあった。
「それはそれで寂しいと思うが、戦こそが森一族の居場所なんだろう?」
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