十五章 幕間劇
鞠の見舞い×明日の戦のこと
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じゃないから。って何をしてるの?」
結菜の話を聞いたあとに、目の色だけをかえて鞠を観察していた。ふむ、少しだけだけどエネルギーがないような。身体から出ているオーラが弱まっているな。
「鞠、動くなよ」
「ふぇ?」
と言って、鞠の頭の上に手をかざして光の粒子を鞠全体に包み込んだ。そして数分後には、終わらしたけど。
「一真、鞠ちゃんに何してたの?」
「少しだけ鞠に回復のオーラを当ててみた。鞠は元気そうだけど、身体の中は元気そうじゃなかったからな」
「そんなことも分かっちゃうんだ」
そうしたら、鞠はあくびをしていた。さっき回復のオーラの中には、睡眠を促す物もあったからな。
「なんだか、眠くなっちゃった・・・・」
「寝ちゃって良いわよ。・・・・いいわよね?一真」
「何かあったら起こすから、寝てもいいよ」
「うみゅぅ・・・・わかったの」
鞠はふわ・・・・とあくびをすると、そのままふわりと身を崩し、結菜の膝にしがみ付いてしまった。
「あらあら。そこでいいの?」
「うん・・・・。結菜、なんだか良い匂いがするの」
結菜の膝に小さな頭を乗せて丸くなった猫か兎のようだった。
「そっか・・・」
と鞠の背中を穏やかなリズムで軽く撫でる結菜のことをまるで・・・。
「・・・あ、一真。今私のこと、お母さんだって思わなかった?」
「いや。俺の息子である優斗が鞠くらいの大きさだった頃を思い出していた。あの頃の奏と重なって見えたからさ」
「そうなんだ。私と奏さんがねー」
鞠はよっぽどなのか、それとも俺が与えたものの副作用なのかよく寝ている。俺達が小声で話しているのに、もう寝息を立てている。
「もう寝たのか。寝すぎじゃねえのか、鞠は」
「私に言わせれば、こんな小さな子を行軍に同行させる方がどうかと思うわよ」
「・・・・あー」
そういえばそうだな。将や兵の中でも小さいと言えば鞠や八咫烏隊だし。でも、朱里や雛里もこのぐらいだったから、不自然ではなかったが。
「鞠もそうだけど、俺の妻の中には前までは鞠と同じ身長をしていた子がいたから、不自然とは思わないんだよな」
「へえー、そうなんだ。そういえば、二条館のときに一真の妻に会ったって言ってたわね」
朱里や雛里は軍師としてだったけど、鞠は一葉たちに匹敵する剣術の持ち主。そう言えばと思ってしまうけど、鞠も小さな女の子なんだよな。
「・・・そういえばさ」
「何?」
「今日、俺のところに久遠が来てな。陣の中で普通に甘えてきたぞ」
「へえ・・・珍しい。この戦い、何か感じている所があるのかしらね。一真もそうなんでしょう?」
「まあな、そのためにこれを付けてるからな」
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