入学編〈下〉
実技棟での会話
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深雪の疑問に俺は頭を振った。
「あれはあれで本気なのだろ。それに完全装備してきたのが数人ではなく大勢いたこともな、あとはキャスト・ジャミングが無ければCBの活躍がなかったはずだ。それに同盟も単に利用された捨て駒だったのだろうな」
気の毒とは言わないで、捨て駒と言ったのはどういう意味か。単に背後にいる輩がそう考えているのではないかと思っただけだ。まあ本気で差別撤廃を叫んだ者に対しては侮辱になるかもしれんがな。
「さてと、どうしようかね?選択肢は三つだ」
二手に分かれるか、実験棟に向かうか、図書館に向かうか。
「彼らの狙いは図書館よ」
決断は第三者によるものだった。
「小野先生?」
踵の低い靴に細身のパンツスーツ、ジャケットの下は光沢のあるセーター。今日の服装は、前回より行動性重視の服装で現代のドレスコードと言う感じであったが。光沢の元は恐らく、防弾・防刃を重視した金属繊維だ。まあ俺と深雪の制服にCBのメンバーである蒼太たちのも防弾・防刃のだけど。
「向こうの主力は、既に館内へ侵入しています。壬生さんもそっちにいるわ。それにしても驚きね、まさかソレスタルビーイングが援護してくれるとは思わなかったわ」
三人の戸惑った視線が、俺に向けられる。俺は正面から小野先生を見据える。
「後程、説明を求めます。こちらがソレスタルビーイングの関係者としてですが」
「却下します、と言いたいところだけど、そうもいかないでしょうね。それにしても、一真君がソレスタルビーイングの関係者とは今日は驚きがいっぱいだわ。カウンセラーの小野遥の立場としてお願いしたい事があります。壬生さんに機会を与えてあげてほしいの。彼女は去年から、剣道選手としての評価と、二科生としての評価のギャップに悩んでいたわ。何度か面接もしたのだけど・・・・私の力が足りなかったのでしょうね。結局、彼らに付け込まれてしまった。だから」
「それについては甘いですね」
小野先生の依頼を蹴飛ばすように、切り捨てた一真。
「余計な情けで怪我をするのは、自分だけではないことを知っているはずですよ。ということで行くぞ、深雪に蒼太たち諸君!」
「はい」
『了解しました!』
「オートマトン部隊は他にテロリストがいないか索敵システムで、敵を探せ。味方と敵の個別索敵はトレミーで行われているから。行け!」
と俺はそう言ったら、オートマトン部隊は消火する班と索敵を使い残りの敵を見つけて殲滅する班に分かれた。そして指示を全て出した俺は図書館に向けて走り出したので、レオたちも俺を追うのだった。
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