入学編〈下〉
実技棟での会話
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白いほどに裏返っていたけど。
「誤解だ!」
レオの声も、面白いほどに絶叫と言う感じではあったけど。
「俺は実技の練習をしてただけだぜ!この女が後から来たんだ!」
「あたしが練習しに来たら、この男が図々しく居座っていたのよ!」
「図々しくとは何だコラ!」
「分かったから叫ぶな、バカモノ共。『パシイィィィィイン!パシイィィィィイン!』誰も誤解など言っていないだろ」
事実はとても面白い夫婦漫才みたいだったが、いい加減にしないと思いハリセンでやめさせた。それもレオとエリカの威力は同じだったけど。
「他に侵入者は、見なかったか?」
「反対側を先生たちと、ソレスタルビーイングの人達のお陰かすぐに制圧したそうよ。あとはオート何だっけ?『オートマトンよ、エリカ』そうそう、そのオートマトンが攻撃を撃ち落としたり殲滅したりで、呆気なかったわ」
俺がエリカに真面目な声で問うと、先ほどのダメージ何かないようにそう答えた。しかもテロリストが侵入しているのに、動揺せずに落ち着いている。
「オレが言うのも何だが、こいつら、魔法師としては三流だな。オレが相手してたときは、三対一だったとしても魔法を練れないんだからよ」
レオは何でもないことのように言うが、大地たちの報告によるとホントのようだった。レオたちに言わせれば雑魚だったらしく、キャスト・ジャミングをしたとしてもこちらにはオートマトンがいるからか、素早く殲滅できたんだと。あとは焼夷弾によって燃えたところは教師たちが消火してたと聞くけど。あとは三人相手同時にしてたのは容易い事ではない。レオは思った以上にやれるようだ。
「エリカ、事務室の方は無事なのかしら?」
深雪の問いかけに、エリカが頷く。どうやらすぐに殲滅したらしく、先生たちが到着する前にオートマトンによる殲滅にCBメンバーが拘束されていたと言っていたけど。そこの配置も全ては俺が指示を出したところだ。貴重品があるところは特に配置させたけどな。事務室には多くの貴重品があるけど、俺はすぐに理解したのだった。
「こいつは陽動だな。こいつらの目的は実験棟と図書館だな」
実技棟には型遅れというオンボロな機械がある。価値があるとすれば、手榴弾の直撃を受けても表面が焦げる程度の損傷しか受けない。耐熱・耐震・耐衝撃の建物自体。破壊されたとしても、一ヶ月程度授業に支障は出るかもしれんが。俺がやってしまえば、破壊した意味はないからだ。他に破壊活動をするなら、学校の運営に支障が出る場所である実験棟と図書館だからだ。まあ図書館には主力は侵入させといて、外では隊員たちが大暴れしているそうだけどな。
「こちらが陽動だというのなら、予想以上の規模ですね。討論会へ結びつく抗議行動自体が陽動だったのでしょうか」
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