入学編〈下〉
公開討論会当日
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る蒼い翼の者たちにとっては頷いていたが、他の者たちは意外と思ったのか驚愕をしていた顔をしていた。一科と二科の差別というのは、魔法実技が得意か得意じゃないところで分かれられている。たったそれだけで一科の生徒は二科の事を見下す行為をする。それを何とかするのが学校側だが、現状は今の制度で手一杯だからだ。
「課外活動においても、部活連と生徒会で、可能な限り施設の利用は平等になるように割り振られています。所属人数の多いクラブが所属人数の少ないクラブに対して優遇されている事は否定しません。ですが、一人当たりの機会の均等も、クラブ間の機会の均等と同様に無視できないものだと、考えた上での事です。決して、魔法競技系の課外活動を、制度として優先しているのではありません。先程『同盟』の方から魔法競技系クラブに予算が手厚く配分されているというご指摘がありました。結果としてはご指摘通りの通りですが、この予算配分は活動実績をを加味した結果である事は、先程グラフでご覧頂いた通りです。指導教員以外の問題については、一科と二科の区分以外の要因で全て説明可能なものであり、合理的な根拠に基づくものである事は、ご納得頂いたと思います。他に原因があり、それ分かっているにも関わらず、一科と二科の区分に所為にするお互いの隔てる意識の壁こそが問題なのです」
再び野次が飛んできたが、今度は賛否両論を含む感じではあった。同盟の支持者が飛ばす野次を二科生が固まっている辺りから飛んできたのが、「うるさいぞ、同盟!」であったけど。いくら二科生であっても、魔法実技が苦手だけであったという事実を誤魔化す者ではなかったけど。まあ二科生の中にはそういう奴もいるという事だ。いくら同盟が差別だと言ったとしても、それを信じるか信じないかは己次第。
「私は当校の生徒会長として、現状に決して満足していません。時に校内で対立を煽りさえするこの意識の壁を、何とか解消したいと考えてきました。そしたら今年度の一年には解消をするべく補助してくれる人がおりました。ですが、その人たちがいくら解消をしてもそれは一時的なもので、と同時に新たな差別を作り出す事による解決であってはならないと。二科を差別しても一科を逆差別しても解決には至りません。一科生も二科生も、一人一人が当校の生徒であり、当校の生徒である期間はその生徒にとって唯一無二の三年間なのですから」
拍手が湧いた。満場一致とはいかないが、手を叩いているのは少人数であったけど。疎らな拍手でもないし、手を叩いている者たちは一科と二科の区別は無かった。拍手が無くなり再び静寂が訪れた事により、俺は携帯端末を取り出してから会長がいるところまで歩いて行った。それも風紀委員会と蒼い翼の合同と現す腕章と共に。
「制度上も差別を無くすこと、逆差別をしないこと、私たちに許されるのはこの
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