入学編〈下〉
公開討論会当日
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た。思った以上に多くの生徒が、二科生だけではなく一科生もこの問題について関心を持っていたらしいのだろう。その中には同盟のメンバーだと判明している生徒は、さっき俺が指差したところにいた十名前後。あとは外にいる数十人のテロリストたち。ただし放送室を占拠した生徒の姿はいない。
「何をするつもりかは分からないが、・・・・こちらから手出しはできんからな」
またそう言ってたが、先手は常に向こう側でこちら側は見守るしかないからだ。
「専守防衛といえば聞こえは良いが・・・・」
「渡辺委員長、実力行使を前提に考えないでください。・・・・始まりますよ」
また何事か反論しているが、市原先輩の一言で視線を舞台の方に向ける。討論会が始まった。パネル・ディスカッション方式の討論は、今回の経緯から必然的となるが。
「生徒会長、今季のクラブ別予算配分について質問します。私たちが手に入れた資料に寄りますと、一科生の比率が高い魔法競技系のクラブは、二科生の比率が高い非魔法競技系クラブより、明らかに手厚く予算が配分されていますが、これは一科生優遇が授業のみならず課外活動においてもまかり通っている証ではないんですか!生徒会長が本当に一科生と二科生の平等な待遇を考えているなら、この不平等予算はすぐに是正すべきです」
「クラブ別の予算配分は在籍人数と活動実績を考慮した予算案を元に、各クラブの部長も参加する会議で決定されています。魔法競技系のクラブに予算が手厚く配分されているように見えるのは、各部の対外試合実績を反映した部分が大きく、また非魔法系クラブであっても全国大会で優秀な成績を収めているレッグボール部などに魔法系競技クラブに見劣りしない予算が割り当てられているのは、お手元のグラフでお分かり頂けると思います。クラブの予算配分が一科生優遇の結果とは誤解です」
とこのように、同盟側の質問と要求に対し会長が生徒会を代表して反論するという流れであった。あと手元にあるグラフについては、蒼い翼が調査して作成してくれたものであって生徒会が作成した訳ではない。それに俺は学校側と生徒側の五分五分の間にいるからな。同盟が言う要求や質問とかはボイスレコーダで録音している。無論会長のもだけどね。これを素にして、学校側である校長や理事長に改善するように言えるからだ。あとは同盟側は特に具体的な要求がないからか、予算配分を見ても「平等に」というだけであってどこの部で何割増しにするのかという要求もない。
「二科生はあらゆる面で一科生より劣る差別的な取扱いを受けている。生徒会はその事実を誤魔化そうとしているだけではないか!」
「ただ今、あらゆる、とのご指摘がありましたが、具体的にはどのような事を指しているのでしょうか。既にご説明した通り、施設の利用や備品の配布はA組からH組
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