入学編〈下〉
九重寺での調査報告
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終わったが、俺ら以外だったら気配がないところにいきなり声がかかったら怖がると思う。バカ弟子は縁側に腰掛けていたが、沓脱石に足を投げ出していた。そこで座禅でもしていると僧侶ぽく見えるが、似非僧侶とも言われる。
「さすが一真さんだ。良く分かったね。それに僕は忍術使いだからなのか、習慣なのだよ。それに僕は約束を忘れる訳もないよ」
「先生、夜分遅くに失礼します。ですが、いくらなんでも暗闇過ぎるかと」
と言っても、聞くことはないだろうと思ったのか、深雪はフラッシュを使って灯りをつけた。火の球のようにも見えるが、ライトを火の球のようにして動かすというのだけど。他から見たらここはお化け屋敷と勘違いされるだろうな。
「それにしても、毎度だけど一真さんと深雪君には驚きぱなしだよ。僕は霊気と呼んでいるが、一真さんで言うなら神のオーラとも言おうか。深雪君は眩いばかりに輝いているが、一真さんは一切の無駄がないほどに一滴も零していない。まあ霊子放射光と言った方が分かりやすいかな」
「そりゃそうだろ、俺は神の頂点に立つ者だ。深雪は半悪魔と神である奏と創造神である俺との間に生まれたのだから。それより俺達がここに来たのは、バカ弟子の出番増やしと、もう一つは司甲について調査報告を聞こうと思ってな。その三年生がエガリテのメンバーというのは確定だが、ブランシュと繋がっていると俺は思っている。司甲を通じてブランシュが何を目論んでいるのかをな。どうせ、もう調べているんだろ?」
「エガリテにブランシュねぇ、もちろんその程度は調べはついているさ。でも、僕でいいのかな?僕は出家の身だ。俗世には関わらないことにしている。そこまで見当がついているなら、風間君か藤林のお嬢さんに頼めばいいんじゃないかな?あとは蒼い翼の諜報部の方で」
「さっきも言ったが、お前に会うのも出番を増やしただけにすぎん、有難く思え。それに玄信や響子たちを頼るのはそれこそ野暮用となる。それに玄信とはこの先にて会うからいいんだよ。さっさと調べたことを教えろバカ弟子」
俺はそう言いながら、バカ弟子の隣に腰を下ろした俺と深雪。フラッシュのせいか、闇だったところが光となって照らすのでこの場所が明るくなったけど。そしてバカ弟子から語られたのは、調査報告だった。こいつも元とはいえ部下だったからな。
「司甲。旧姓、鴨野甲。両親、祖父母いずれも魔法的な因子の発現は見られず。いわゆる『普通』の家庭だけど、実は賀茂氏の傍系に当たる家だ。傍系と言っても随分血は薄いんでそういう意味では普通の家庭ともいえる。だけど、甲君の『目』は一種の先祖返りだろうね」
俺の依頼を予知でもしていたかのように、スラスラと話すバカ弟子。深雪もため息が出てたけど、この程度で驚くのならバカ弟子との付き合いなどしていない。
「
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