入学編〈下〉
公開討論会前日×同盟による調略活動
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
次の日になった。俺たちは真夜が会長の通学時間を聞いたので、それに合わせるようにして送迎車に乗った。早めに登校する訳ではないが、会長に聞きたいことがあったので。しばらく待っていると、それほど長く待つ訳ではなかったけどな。
「会長、おはようございます」
会長は女性として小柄ではあるが、人混みに埋もれるタイプではないのですぐに発見できた。一際強い存在感というオーラを出しているので、俺はすぐに声をかけられた。
「一真君?深雪さんも、どうしたの?」
当然だが、俺と深雪が待ち伏せをしていたのは会長にとっては予想外の事だった。俺たちはいつも送迎車で乗っているので、待ち伏せは不可能と思っているようだったけど。ヴェーダと真夜からの伝言にて、会長がいつ何時頃にここに現れるというのは予測をしていたからだ。いつもなら、冗談めいた態度を作る余裕もなく捻りもない平凡な反応を返したけど。まあ会長を驚かしに来た訳ではないから。
「昨日の事が気になりましたので、あの後壬生先輩たちとの話し合いはどういう結論になったのか教えていただきませんか?あと真夜さんから通学時間を聞きだしていつもより早く来た訳です」
「意外ね。他人事は蒼い翼関連の者で、調べているはずだと思ったんだけど。あとお母さんの仕業か、通りで一真君がここにいた訳か」
「生徒会側と有志同盟側での会話は一切聞いていないので、調査するはずないですよ」
俺の回答を聞いて、納得半分と母親である真夜からの入れ知恵で待ち伏せできたことで、愚痴半分だったけど。それに俺らは既に「有志同盟」の活動に関わりを持っているのかもしれない。他人事は、調査をすればすぐに分かる事だが、蒼い翼関連で介入していないから調べようがないからだ。俺らにはこれから何が起こるのか聞く権利を持っているし、もしテロ行為をするのであればCBが動く事になる事は知っているからだ。
「彼らの要求は一科生と二科生の平等な待遇。でも具体的に何をどうしたいのか、その辺りはよく考えていないみたい。むしろ、具体的なことは生徒会で考えろ、って感じだったわ。まあ、それで押し問答になってね。元々昨日は、今後の交渉について話し合いましょうという趣旨だった訳だしね。結局、明日の放課後、講堂で公開討論会を行う事になったの」
「随分と急展開ですね」
俺の驚くリアクションは控えめな方ではあった。蒼太と沙紀は明日の事についてで、双方と話し合っていた。それと同時にソレスタルビーイングは待機状態となったが、月中基地内にいる者たちとトレミーは発進準備をしていた。そして今夜になれば、大気圏突入してから明日行われる討論会を妨害する行為またはテロリスト対策にて隊員とオートマトン待機状態として配置するからだ。
「ゲリラ活動する相手に時間を与えないという戦略思想は
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ