入学編〈下〉
有志同盟×一時的拘束
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「噂をすれば、もう来たな。という事で俺と蒼太は言ってくるわ」
「あ、はい、お気をつけて」
席を立つと同時に、不安がる美月の声を聞いてから、一瞬クラスメイトの方を向いて見回した。座ったままや立ち上がったクラスメイトも、教室から出ようとはしなかった。エリカのように面白がる生徒やレオのような好奇心をあらわにしている生徒は少なく見える。大半のクラスメイトはこのまま帰宅してもいいのか、不安げな顔だった。そう見た後に蒼太からの声で現実に戻り、腕章を付けてから走った。
「あ、お兄様に蒼太さん」
「深雪たちも呼び出しか?」
「はい。先ほど会長から、放送室前に行くようにと」
「俺達は委員会からの呼び出しだと」
と言いながら、深雪たちと合流して放送室へ向かう。その足取りは速いものではなかったけど。
「これはブランシュの仕業でしょうか?」
「私はエガリテかと思いますが」
「団体は特定できないけど、その手の輩に違いないな」
「俺もそう思いますね」
そんな話をしながら、四人は放送室の前に到着する。放送室前には、既に委員長と会頭と市原先輩、そして風紀委員会と部活連の実行部隊が顔を揃えていた。ということは、俺達が最後だったらしいけど。
「お、やっと来たか」
「遅くなって申し訳ありません。で、状況は?」
「全員揃ったので、状況を報告しよう。電源をカットしたのでこれ以上の放送は出来ないだろう。犯人はマスターキーを盗みだし扉を封鎖していて、中に立てこもっておりこちらからは開けられない状態となっている」
「明らかな犯罪行為だな」
「ですよね〜。こういうのは強盗とかでやるパターンですよ」
目的が手段を正当化すると考えている辺り、この連中は典型的な「活動家」のようで。あと蒼太の言う通り、まるで銀行強盗で立て籠もる輩みたいだなと思った。ただし、銀行強盗と違う事は人質がいない点だけだ。あとはあちらはCADを持っていると思うから、もし強行しても多少は中に入れないよう工夫をするだろうと思った。
「その通りです。だから私たちも、これ以上彼らを暴発させないように、慎重に対応するべきでしょう」
「こちらが慎重になったからと言って、それで向こうの聞き分けが良くなるかどうかは期待薄だな。多少強引でも、短時間の解決を図るべきだ」
生徒会と風紀委員会の方針は真逆のようで、生徒会側は慎重派で風紀委員会側は強行突破側か。こういうときは冷静に対処するべきだと思うけど。
「十文字会頭はどうお考えなのですか?」
俺の質問に、意外感をたたえたような視線が返ってきた。こういうのは、残りの部活連の方にも意見を聞くべきだろうと思ったからだ。生徒会側と風紀委員会側、そして部活連側は、権力はあって
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