入学編〈下〉
宿題の答え
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。そうでなければ気配を消してまで、監視みたいなことはしないだろう。
「今日は非番ですから、サボりではありませんよ」
俺の返しに、苦笑で応えていたけど。非番というキーワードを言わなくても、サボりではないということで「今日は非番」という意味が分かる事だ。
「別に、委員長として注意しに来た訳じゃないさ。通りがかったのは単なる偶然だ」
俺がそう言ったからか、渡辺先輩の登場が不自然に感じないというのは確かのようで。すかさずそれに乗ることが出来る渡辺先輩も、中々のもんだと思った。
「邪魔をする形になってしまって悪かったな。壬生も、すまなかった」
「いえ、そんな事は・・・・」
渡辺先輩に答える壬生先輩の声も表情も微妙に硬くなっているのは、上級生に声を掛けられた緊張からだろうなのか。それとも風紀委員に対しての反感なのか。どちらとしても違うように思えた俺と蒼太。去っていく渡辺先輩の背中に注がれる強い眼差しが、その印象を更に強くしたのだった。
「一昨日の話なんだけど・・・・」
渡辺先輩の姿がカフェから消えたところで、壬生先輩から本題を切りだした。俺や蒼太としては、「頼んだと言った手前だろうが・・・・」や「わざわざ様子見をして来るとか「監視しているのは別口かな」とかを考えていたので、出遅れてしまったようだった。
「最初は学校側に、あたしたちの考えを伝えるだけで、いいと思っていた。でもやっぱりそれだけじゃダメだって分かったから、あたしたちは学校側に待遇改善を要求したいと思うの」
俺と蒼太としては、思考をリンクしているので同じ考えだったが随分と踏み込んだなと同時に思った。本気なのか、俺らを引き込みをするためのハッタリなのか。ハッタリだったら逆効果だけど。
「改善というと、具体的に何を改めて欲しいんですか?」
「それは・・・・あたしたちの待遇全般よ」
「全般と言うと、例えば授業ですかな?」
「・・・・それもあるわ」
「一科と二科の主な違いは指導教員の有無ですか?そうなると先輩は、学校に対して、教師の増員を求めているんですか?」
一応俺も学校側の人間として、一応ボイスレコーダーでの録音モードしていた。あと一科と二科の区別はあくまでも実技の授業の都合上、成績で分けているだけであるだけ。二科生制度自体も、実際は初期の魔法科高校において、年度途中に追加募集された生徒を指導するための十分な数の教師を確保できなかったことから、苦肉の策として進級するまでは集中的に理論を教え、実技を二年生以降から教えるという枠組だった筈が、「補欠」だと誤解されたままになっているけどこの事実は数人しか知らないでいる。と、話が逸れたが、教師を増やすのは不可能に近い。元々、有効レベルで魔法を行使できる成人が不足しているから
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