入学編〈下〉
居残り実習×遅い昼食
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「・・・・なるほど、あたしはまんまと一真君に乗せられたのね」
空ろな笑いを漏らすエリカ。その脱力具合が漫画チックで、皆がつられ笑いをこぼしてたけど。
「なーんか、気が抜けちゃったな・・・・。そうだ。A組の授業でも、これと同じCADを使ってるんでしょ?」
「ええ」
頷きながら嫌悪感を隠そうとしない深雪に、エリカは好奇心で聞いていたがそれは逆に落ち込むと思うのだが。
「ねえ、参考までに、どのくらいのタイムかやってみてくれない?」
「えっ、私が?」
自分を指差し、目を丸くする深雪に、エリカはわざとらしく大きく頷いた。俺に目で問いかける深雪。
「いいと思うぞ。一科と二科の違いを見せてはどうだ?」
「お兄様がそう仰るのでしたら・・・・」
深雪は少々躊躇いがちだったが、承諾をした。まあここで一科と二科の違いが分かると思うし。機械の一番近くに居た美月が、計測器をセットする。その間に一応防音結界とドアをロックにした。今から見るのは、一科の総代だからな。で、深雪は準備ができたのかピアノを弾く時の様に、パネルに指を置いた。計測、開始。余剰想子が閃き、美月の顔が強張っていたけど。いつまで経っても結果を告げない友人に焦れたのか、エリカが結果発表を催促した。
「・・・・・235ms・・・・・」
「えっ・・・・・?」
「すげ・・・・・」
そしてたちまち、表情筋の硬直が伝染するかのように。
「何回聞いても凄い数値よね・・・・」
「深雪の処理能力は、人間の反応速度の限界に迫っている」
ため息を漏らしたのはA組の生徒も同じだった。まあそうだろうな、深雪は総代だし。すると蒼太がいらん事を発言したのだった。
「深雪様も凄いけど、一真様も本気を出せば深雪様より凄いですよー『パシィィィィィイン』ってぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「蒼太、お前何余計な事言ってんの?」
「申し訳ございません。つい口が滑りました」
「えっ?一真さんも深雪さん以上に出来るんですか?」
「一真君の本気、見てみたいかも。ねぇ、私たちの秘密にするからさ、見せてよ〜」
あーあー。蒼太のいらん事を言ったのか、蒼太、深雪と沙紀以外の者たち全員がこちらを見る。
「本来ならこんなオンボロな旧式だと正確に測れるかどうか分からんぞ」
「こんな雑音だらけで洗練の欠片もない起動式を受け入れなければならないなんて・・・・本当に、嫌になってしまいます。私もですが、お兄様専用のではないと本来の実力が発揮されませんが。お兄様の本気は私も見てみたいです」
深雪もそう言うならしょうがないので、俺は目を閉じてから封印を少し解いた。現代魔法での速さを計測する機械の前に立って軽く手を置く。計測、開始。余剰想子が
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