第四章
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よくもまあ知っているな。
戦闘系、術式系の他に、芸術活動に優れた人間、または人間に限らず、異族などが用いる試験方法で、自分のクラスだとネンジや伊藤・健児、それに東が該当する。
「ネンジ君とかイトケンとか、東君がそうだな。レア存在だろ?」
「おいおい、ホライゾンの一芸って何よ? パン屋の店員か?」
「ネンジ君のような存在はまだ他所で見たことねーからレア存在だ。イトケンもそうだし、東君なんて帝の子供だ。じゃあホライゾンは何だと聞かれれば、大罪武装だろうよ。世界で九つしかない物を所持してるし、大罪武装そのものと来れば一芸として充分じゃね?」
●
まさか、身体ネタをユーキ君から受けるとは。
しかし、彼はそれを冗談とした。
……冗談で済ませません。後で必ず報復を。
などと考えている間に、ユーキ君が困ったようなリアクションを取りつつ言った。
「つまりは、ホライゾンを武蔵に取り戻すと、極東が他国からの干渉無しの支配者を迎えて主権を確保できて、他国と対等になれるわけだ」
「でもさあ、それって聖連は意地でも止めたいんじゃね?」
「トーリ。だから、聖連は止めに来てるだろうが。極東が主権を持つと簡単に支配出来なくなるからな。ホライゾンを救わないというのは、私達は主権を欲さない。支配を受け入れますと言ってるようなもんだ」
ユーキ君の困ったリアクションは続く。
……楽しんでますよね。私の勘違いでなければ。
「私が言うのもなんだが、聖連からすれば、こちらの主権は厄介なものでしかないぞ。もし、極東が主権を主張した場合、各地の暫定支配を行うことができなくなり、他国はこの極東の島から出て行かざるを得なくなる。だが、外界の海の向こうは未開拓の過酷な環境の世界だ。そこに追い出されるのは、他国としては避けたいところだろう。
だから彼らは、私達の主権を認めない。重奏統合争乱の和平条約を持ち出し、私達の権利が否定されている事を主張するだろう。極東が主権の獲得をするのは条約違反だと」
「つまり、俺達がホライゾンを救って主権を主張しても、それは条約違反を掲げてこちらを断罪する聖連と、暫定支配からの解放を謳う俺達の生存競争を得た上で認められるもんだな。そういう意味では――」
なんというか、正純とユーキ君ってすごく息があってますね。
ほら、今もユーキ君の言葉を続けた正純が……。
「ホライゾンを救って主権を得ようとするのは諸刃の剣ではある」
ユーキ君の言いたい事を言った感じです。
あの二人、長年付き添ったパートナーのような、そんな信頼感とうか、分かり合っているというか。
……なんだか、モヤっとしますね。ええ、ちょっとユーキ君を弓で射たないと気が済まない感じです。
「じゃあ、ホラ
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