第四章
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「クックックッ、ハッハッハ……アーッハハッハ!」
一人だけ、葵・トーリの兄である葵・ユーキが大笑いしていた。
遅れて、皆がテンポを取って合わせる様に叫んだ。
「えぇ――!?」
叫びの中、鈴が力を失ったように崩れ落ちたところを、背後にいた浅間のクションに頭を埋めていた。
しかし、浅間は皆を代弁するように大きな声で叫んだ。
「一体どういうことですか? 全く!」
浅間は大笑いしている人物を見る。
「フフフこの外道巫女、巨乳に鈴埋めて何やってんの?」
「そんなことより、何でユーキ君は爆笑してるんですかね?」
浅間は身体ネタを無視して疑問した。
……あんなにも笑うなんて近頃はなかったはずです。
「あの感じは、嬉しさ半分、悔しさ二分、楽しさ二分、びっくり一分ってことかしらね」
狂人の言うことだ。
……まるで意味がわからない。
しかし、葵・トーリが頭を掻いて言った。
「いや、だってさ、お前等、冷静によく考えてみろよ? ホライゾン救いに行ったら聖連と大戦争になるんだぞ?」
「ま、待てえー―!」
叫んだのは、葵・ユーキの横に立っていた正純だった。
それはそうですよね。本来、正純が言うはずの言葉を何故かトーリ君が言うんですから。
「お、おま、お前、葵、な、何、何を言ってるんだ?」
「落ち着け、正純。お前が何を言ってるかわからん」
そう、葵・ユーキに言われた正純は一度大きく息を吸って深呼吸し、正面にいる葵・トーリに向かって言う。
「それはこっちの台詞だ! ホライゾンを救いに行かないだと? なんだそれは?」
「おお、やっぱセージュン、救いに行く派か!」
「クックックッ」
未だにユーキ君は笑ってますね。
一度ツボに入るとずっと笑うタイプなのでしょうか。
「ユ、ユーキは笑ってないで何とか言ったらどうだ?」
「ハハハ、すまん。まあ、正純の言いたいこともわかるが、やられたな」
そして、葵・ユーキは現状を説明した。
「先生の契約の時だ。討論開始、それぞれの立場でとは言ったが、どちらがどっちの立場なのかを明確にしていなかった。そこで馬鹿は考えたわけだ。立場が明確にされていないのなら、好きに立場を取れる先攻を取ってホライゾンを救いに行かないという立場になってしまおうと……」
「そんなの有りか?」
「有りだ。聖連側と極東側の立場明記を契約の際にしていなかった。当然の様に、正純と俺は聖連側で、トーリの方が極東側と思い込んでいたこちらの落ち度だ」
……ユーキ君はそれに気付いていなかったのでしょうか。
だが、もう遅い。
契約は結ばれていて、破れば罰則だ。
キャンセルで書き換えとなると、キャンセル料が必要になる。
キャンセル料はオリオトライの鞘による殴りだ
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