第四章
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てきたのを確認した。
「俺、頭悪いから、助言いいよな?」
「ああ、専門的な答えを各担当から得た方が、生徒たちも納得しやすいだろう」
正純は葵・トーリの向こう側にいる生徒会や総長連合の皆を見渡した。
……恨むのは私だけのしておいて欲しい。
未だに、葵・ユーキが私に味方する明確な理由が解らない。
「三人とも、討論の準備はいい? どっちが先攻? 後攻?」
予想としては、討論で私が不利になるように仕向けてくるか、どこかのタイミングで私を諦めさせるように動くかもしれない。
「じゃ、俺先攻――!」
葵・トーリが先攻を取っていた。
……こいつ、馬鹿だ。
私の考えと同じように、周囲の皆は呆れた顔をしていた。
「え?」
「え? じゃねぇよ! だって、面倒なことは早めに済ませたいじゃん」
討論は、後攻が有利。
それを知らないのだろう。
「トーリ。討論は後攻の方が有利だぞ? それでも先攻を取るか? それとも馬鹿でしたって謝って訂正するか?」
「はぁ? 兄ちゃん、俺が馬鹿だって思うのかよ? 先攻でいいもんね! 先攻でいいんだからねっ!」
「何で女口調なんだよ……」
本気で馬鹿だ。
まともに相手するのはやめておこう。
「本気でいいの? じゃあこれ、契約関係の神、オオクニヌシ系に含まれるミサトの契約書だけど。三人がそれぞれの立場で討論することを違反したら罰則だから。いいわね?」
オリオトライに差し出された表示枠にそれぞれ手を載せる。
オリオトライは言った。
「罰則だけど、天罰喰らうのは怖いでしょ? だからね、先生が武器で殴るわね?」
長剣で切ったら即死だから、鞘で殴るという気遣いだったが、鞘はどう見ても金属製であり、オリオトライの素振りを見る限りは、
「鞘でも死ぬな」
葵・ユーキが言ったとおりである。
「じゃ、始めるか」
葵・トーリが宣言した。
●
「皆、元総長兼生徒会長の葵・トーリが、今回の件について提案するぜ?」
葵・トーリは腕を広げて言った。
「要は一つだ。権限の奪還も何も、ホライゾンを救って告るという壮大な計画の足がかりでしかねぇ。だから、ハッキリさせとこうぜ。ホライゾンを救いに行くことで、何が得で、何が損なのか。それをこれから、俺がこの……セージュンと兄ちゃんと討論する」
大きく彼は息を吸い込んで皆に聞こえる様に言う。
「だから、まあ、まずは、こっちの立場を明確にしておこうか、それは――」
皆が注目する中、皆に聞こえやすい音量で葵・トーリは言う。
「――やっぱホライゾン救いに行くの、やめね?」
誰もが、通神の向こう側の誰も彼も、葵・トーリの告げた言葉に対して動くことが出来ずにいたが……。
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