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不可能男の兄
第四章
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からな。
俺も、ネイトや直政と似ている。
聖連と敵対するのは構わないし、必要とあらばワザと負けても良い。
だが、ホライゾンを救うとなると、戦い続ける事を強いられるはずだ。
大罪武装(ロイズモイ・オプロ)を回収するとなると、各国と戦う羽目になるはずである。
……そもそも、馬鹿《トーリ》の夢が王様になるだから、世界を統べる王にすれば良いわけだ。
その世界を統べる王の兄である俺は、最高だ……!

「お、おい。ユーキ、何か顔が怖いぞ……」
「……気をつけよう」

顔に出ていたか。
まだまだ、自制が甘いな。
そう思いながら、葵・ユーキは正純を見る。

「……」

皆の敵は、正純でも俺でもなく、聖連の代表である教皇総長インノケンティウスだ。
そいつを引きずり出して対決し、勝てばいいのだ。
……正純の相対方法は討論になる。ならば、その過程で聖連に不利な発言や、敵対するような際どい発言をすれば横槍を入れてくるはずだ。
もっとも、それはホライゾンを救いに行くという立場の方が引きずり出すのが容易だが。
……どちらにしても、この相対の最中に出てくるだろうな。
元信公が行なった三河消失は歴史再現に存在しないことだ。
歴史上、三河が消えたという出来事はなかったことだ。
……なかった事を、なかった、と各国に理解を得つつ、極東を支配する手はホライゾンに責任を取らせてしまうことだろう。
――だが、ホライゾンを生かしながらも三河消失をなかった事として、更に聖連に抵抗するための大義名分は――ある。
キーワードは、大罪武装(ロイズモイ・オプロ)、末世、三河消失、歴史再現。
問題は、ホライゾンだ。
ホライゾンの持つ大罪武装……。
困った問題だが……そこを何とかするのが俺の役目だろう。
手のかかる将来の義妹だ。



「じゃあ、酒井学長いないけど、とりあえず、臨時生徒総会、最後の相対を始めましょうか」

一応、最後と言うことで、教員であるオリオトライが立会人となる。

「えーと、三十分一本勝負とかできない?」
「そりゃ、無理ですよ。討論なので……、まあ先生には互いの討論のルールの契約を結んでもらうくらいですね。勝敗の判定は、お互い疑問を出して答えを述べ合う。相手側の不利か、自分側の有利を認めさせれば勝ちという感じで」
「まあ、先生はこういう問題はぶっちゃけよくわからないから、ユーキの条件でいいわね?」

正純は、問題無いと頷き、葵・トーリもたぶん問題無いと頷いた。

「トーリ。お前、ちゃんと話せるか? 兄的には怪しいと見るが」
「あ、ああ、あたあたりめぇだよ。 お、俺をナメるなよ?!」
「何を腰引かせて震えながら言ってるんだ、葵は……」

正純は、葵・トーリが頭を掻きつつ自分の顔を、いつもの笑みで見
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