24ー僕は。
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す。
そうすると佳は嫌そうな顔をする。
「それが…!」
「そう、投与した相手の心臓を止める薬。サクシニルコリンだよ。」
そうやって。佳に見せつけながらゆっくりと近づいて。
「これで…雪宮君。君の心臓を止めて…朝田さんを僕の物に…!」
狂気的に佳に近づいてくる新川君だったが。佳はため息をつき。
「ねえ、新川君。サクシニルコリンの効力って知ってる?」
「…心臓を止める劇薬だよ?それがどうかしたのかい?」
新川君は当たり前そうに答える。すると佳はまるで出来の悪い子供に教えるように。
「サクシニルコリン…。本当は人工呼吸や気管内挿管を容易にするため麻酔前投与薬として使用される薬なんだ。」
「…??」
そう説明した後の佳は怒りの表情で新川君を睨みつけて。
「人を助けるために使う大切な薬を殺すために使うな??」
そう言って新川君に一気に近くとポケットからハサミを取り出す。
「なっ??」
すると佳はそのハサミを新川くんに突き刺すと見せかけ上に投げ飛ばす。一瞬目線が上に言った新川君の隙を見逃さないでそのまま右足で注射器を持つ右手を蹴り飛ばす。そして佳は新川君の襟首を掴んで壁に叩きつける。
「がはあ…。」
「僕は…絶対許さない。」
佳はどんどん新川君をギリギリと締め上げる。
「僕の様に凶器で殺すならまだしも、人を助ける薬で殺すなんて…。たとえ君が警察に捕まろうと、のうのうと生きようと絶対僕は許さないよ…!」
「…。」
そしてそのままトドメの言葉を言い放った。
「そんな君に絶対詩乃は渡さない。…もしもその考えで詩乃の前にまた現れてみな。僕は君を再起不能まで追い込むからね…!」
そうすると新川君はまるで糸の切れた人形の様にプツンと気絶して倒れ込む。
そうすると佳は新川君の肩を掴んで…。
ゴキッ。
「〜??」
新川君がまた起きたと思いきやまた気絶する。
「肩を脱臼させたよ。君はもう痛くてまともに動かないんじゃないかな?」
そうポツリと呟くと、私に近づいて。
「遅くなってごめんね。詩乃。」
そうやって私を抱きしめる。さっきの様な不快感は無く。どこか落ち着く感じがした。
「もしも…詩乃が…ぐす…何かあったと思ったら…僕は…。」
ん?あれ?なんかおかしい。
そう思って佳の顔を見ると目に涙が溢れ出ていた。私はそれを見て。
「ふふ。これじゃどっちが助けに来たか分からないわよ?」
「うるさい…!…ばか…!」
そう言いながらも佳は抱きしめる事をやめない。むしろ少し強くなる。
「ねえ?佳。」
「…何?」
私も佳の背中に腕を回して。
「助けに来てくれてありがとう。
…I love you」
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