入学編〈下〉
無効化能力の実態
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でもなくて?」
「ええ」
得意げに頷く深雪と少し呆れた俺に対して、エリカは感嘆と呆れという半々の顔でつぶやいた。
「それって結構なレアスキルだと思うけど」
「そうね。少なくとも、高校の授業では教えられないし。教えられないからと言っても、誰でも使えると言う訳ではないの。エリカ、お兄様が高周波ブレードを片手で防いだのは、その無効化のを纏ってから握ったのよ」
「そうだ。確かに一真君は握ったけど、一滴の血も流れずに魔法がキャンセルされてたし、魔法を使おうとした者もいたけど魔法式すら浮かんでこなかった」
とエリカがそう言ったら、ニッコリとした笑顔を作る深雪に対して俺は白旗を出したと言う感じではある。
「全く、深雪には敵わないな」
「それはもう。お兄様のことならば、深雪は何でもお見通しですよ」
「いやいやいやいや、それって兄妹の会話じゃないぜ?恋人同士の会話の度を超えているって」
苦笑と微笑、笑顔を見合わせる二人の間にツッコミを入れるレオ。
「「そうかな?/そうかしら?」」
俺と深雪の言葉に、硬直したあとに腕を力尽きたのように机に突っ伏した。
「・・・・このラブラブ兄妹にツッコミを入れる事態が大それているのよ。アンタじゃ太刀打ちできないって」
「ああ、俺が間違っていたよ」
しみじみ語るエリカに、身体を起こしながらしみじみと答えるレオ。
「おいおい。その言われようは不本意なのだが」
「いいじゃありませんか。私とお兄様が強い兄妹愛で結ばれているのは事実ですし」
レオたちにもう一発さらりと言ったことにより、レオとエリカは机に突っ伏した。レオは血でも吐いたかのようなリアクションだったけど、はて?こういうのって昔あったような。そして椅子を動かして俺のところに身を寄せ合う深雪に対して、蒼太も沙紀もいつものことだなと言いながらコーヒーを飲んでいたけど。家でもいつもこうだし。
「深雪。悪ノリは程々にしろよ。冗談だということを分かっていないのが約一名いるからな」
俺が苦笑いしながら言うと、深雪とレオとエリカは約一名といったので美月の方を見た。冗談じゃないかのような考えをしていたのか、顔を真っ赤にしていたけど、やっと冗談ということで左右を見ながら残りの者たちはため息が出る。
「まあ、これが美月の持ち味よね」
「あぅ・・・・」
エリカの微笑ましげな呟きに、美月の顔が別の意味で赤く染まった。若いことで、俺らも見た目は若いけど。
「・・・・そういえば魔法の無効化とか言ってなかったか?」
自分もノッてたのとはいえ、これ以上言っても何も変わらないのでレオが強引に話題を変えてみせる。
「まあ近いので言えば、キャスト・ジャミングだけどそれも違うけどな
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