入学編〈下〉
会員制のカフェ
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もう夕方とは、随分と時間を食ったな。まああのリストを作成したのは、取り押さえたあとにデータを送り未遂犯か常習犯なのかを学校のデータバンクに直結している本社が調べて作成してくれたものだ。それも写真付きにいつどこでやったのかも全て記載されていたのは、俺も少々驚きである。と同時にさすがだなと俺は思いながらも深雪を探していたけど、どうやらこの近くにいるようだ。
いくら魔法があるからと言って、年頃の女の子が一人で出歩くのはまずい時間帯ではある。が、俺らは送迎車があるし例え遅くなったとしても、通信端末でメール1本入れるようにしている。それと俺や蒼太に深雪と沙紀には発信器が付いているから、どこにいるかはスマホで分かるというもんだ。それにしても部活連は生徒会室のある本校舎とは別棟にあるから遠いわ〜。
「あのリスト、俺も見ましたがさすがと言って良いほどでしたね」
「ああ、あれな。あれは俺も驚いたが、さすが蒼い翼だ。本校とのデータバンクと唯一直結していて、過去に起こった軽い罪や未遂とされた事件も多いというのに。まるで警視庁並みだったな」
「まあそれを指示したのは、とっ、これは秘匿でしたね」
そうだなと言いながら考えていたが、部活連本部から生徒会室のある本校舎へ行くには一旦校庭を出るんだが。百年前だったら上履きを履きかえるという習慣があったが、今の時代にそういう習慣はないらしいな。その方が楽ではある。校庭へ出てから昇降口に向かうが、ここでセンサーが反応。どうやらすぐ近くにいるようだった。そしたら見知った顔がいたけど。
「あっ、おつかれ〜」
「お兄様」
真っ先に声を上げたのはエリカだったが、真っ先に駆け寄ったのは深雪だった。まあ外から見ると兄妹だが、俺らにとっては血の繋がった親子だからな。思いがけない機敏さに他のメンツは目を丸くしていたが、蒼太と沙紀はいつものように見ていた。
「お疲れ様です。本日は、大活躍されたようで」
「さっそく俺らの権限で活躍したようなもんだったな。ある意味でデモンストレーションだったよ」
腰の前に両手で掲げる鞄を挟んだだけの間近から、俺を見上げる深雪の髪を眼差しでねだれた通りに、俺は深雪の髪を何回か撫でたけど。深雪は気持ち良そうに目をこちらに見つめている。
「兄妹だと分かっちゃいるんだけどなぁ・・・・」
俺ら織斑兄妹(親子)に歩み寄りながら、気恥しげな表情で微妙に視線を外しながらレオが呟くと。
「何だか、凄く絵になってますよね・・・・」
隣では美月が顔を赤らめながらも、食い入るように二人を見ていた。これは兄妹のコミュニケーションというより親子のだな。それか知らん奴から見ても恋人のように見えると俺も思っている。蒼太も沙紀もいつもの事だと思いながら見ていたそうな。そしたらレ
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