入学編〈上〉
巡回×取り締まり
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で泡を吹くなよ。しかも、先に手を出してきたのはそっちじゃないか」
「桐原君が挑発したからじゃない!」
切っ先を向けて何かするとは思ったら、今度は口論か。たくガキの喧嘩なら外でやってほしいぜ。まあ俺も今は同じ歳として見られているが、腕章を見れば力を示している。それに当事者同士がこちらの疑問を答えてくれたから好都合だ。蒼太には脳量子波で、俺が飛び出して逮捕した後に差別用語飛んできたら捕縛しろと言っておいた。
「面白い事になってきたね」
「まあな。これで終わるのなら、それでいいが。二人を知っているのか?」
「直接の面識はないけどね。女子の方は試合を見た事あるから思い出したけど、壬生紗弥香。一昨年の中等部の全国二位よ。当時は美少女剣士とか剣道小町とか随分騒いでいたようだけど、男の方は桐原武明。こっちは一昨年の関東剣術大会中等部のチャンピオンよ。正真正銘、一位」
なるほど。エリカが言ったことはどうやら本当のようだ、蒼太が名前検索で俺のスマホにデータを送信してきた。そして聞きながら見ていたが、剣術での全国大会とかは高校からだそうで。競技人口は半端じゃないそうだ。まあ今の剣術は剣技と術式を組み合わせた競技、魔法が使えるのが対象者である。百年前だったら中等部でもあったと思うが、剣術は真剣勝負だと殺し合いになるので、木刀での勝負となる。真剣勝負は犯人との勝負となるが。それか軍隊によるもんとか。魔法学が発達により魔法を補助する機器の開発は進んでいるが、実用レベルで魔法を発動できる中高生は、年齢別人口比で千分の一。まあ俺らは魔法なんてなくても剣術のみ磨いているけど、キャンセルしてからな。成人後はさらにその十分の一だ。この学内で二科生は落ちこぼれ扱いになるが、全人口比で見れば彼らもエリートということになる。
「おっと、そろそろ始まるみたいよ」
俺がそう解説みたいなことをしていたら、竹刀を構えていた双方。双方共、防具は付けていないが女子の方は胴のみで男の方は全く付けていない。まあ籠手狙いで行くだろうな。ここに風紀委員がいることは知られていないようで。
「心配するなよ、壬生。剣道部のデモだ、魔法は使わないでおいてやるよ」
「剣技だけであたしに敵うと思っているの?魔法に頼り切りの剣術部の桐原君が、ただ剣技のみに磨きをかける剣道部の、このあたしに」
「大きく出たな、壬生。だったら見せてやるよ。身体能力の限界を超えた次元で競い合う、剣術の剣技をな!」
それが開始のゴングとなった。頭部目掛けて、竹刀を振り下ろす桐原。対して壬生は冷静に見て頭部に向かった竹刀を防御した。竹刀と竹刀の打ち合いに少しして悲鳴が上がったが、見物人には何が起こっているのか不明だろう。素人には分からない生徒たちだが、俺らプロはそれがゆっくりに見えるが。
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