入学編〈上〉
巡回×取り締まり
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校庭一杯、窓から見る限り校舎と校舎の間の通路まで埋め尽くされた観のあるテントの群れは、さながら縁日の露店というか祭としか思えない光景だった。
「お祭り騒ぎね、文字通り・・・・」
そう呟くエリカはこの独り癖はずっとそうだった。小学生時代や中学生時代は、一人で多かった少女だった。人間嫌いというわけではなく、愛想はよく誰とでも仲良くなれるフレンドリーである。が、すぐに疎遠となってしまう。四六時中一緒にいる、いつも連れ立って行動する、ということが出来ないようだ。人間関係に執着が薄いからだと自分自身を分析する。比較的仲が良かった友人からは、醒めていると言われた。気まぐれな猫みたいだとも言われたこともある。自由に気ままに、何の約束にも縛られずにが彼女のモットーだったが、最近の自分は何かおかしいと思うらしい。
「エリカ」
約束の時間から十分。校庭内から校庭へ、ちょうど昇降口を出たところで、エリカは自分を呼ぶ一真の声が聞いた。意外に早く追いついたな、とエリカは思った。
「一真君、遅いわよ」
「悪かったな。だが、教室前との約束だったはずだが?」
「あぅ・・・・ごめん」
後ろにいる蒼太も同じことと思ったに違いない。
「一真君ってさ、意外に大人な感じだよね?」
「そうかな?まあ確かに周りからもそう言われる感じはあるが」
「まあそうだと思うけど、それが風紀委員の腕章なの?何かいつもと違うような」
「当たり前だろ。俺は風紀委員会以前に蒼い翼関係者だし、権限は風紀より上だからな。なので蒼い翼から特注で作った、蒼太のも俺が巡回中のときは腕章をしている」
と言いながらも、俺とエリカは進んでいく。所詮は部活の勧誘だからと、高をくぐっていたが。これなら取り締まりが必要なことを理解した俺と蒼太。さっそくトラブル発生した、校庭を埋め尽くすテントとテントの隙間に人垣が築かれている。その人垣の向こうでは脱出不可能となったエリカが喚いていた。エリカの機敏な動きはさすがと思うが数の物量には負けるようだ、最も俺よりもエリカに集中砲火されているが。俺は新入生であり、背が高いが護衛付きということや二科生ということもあり、勧誘をしようとしても護衛の目が光る。一方エリカは、美女とも言われるほどだし。二科生でもあるがそんなのは関係無しだ。マスコットかあるいは広告塔となるキャラクターを求めて、主に非魔法競技系の運動部がエリカの争奪戦を始めた。しかも、服を引っ張ったり腕を引っ張るとかなど。あとは同性であろうともセクハラ紛いのもするし、獲物の奪い合いの方が繰り広げられていた。
「チョッ、どこ触っているのっ?やっ、やめ・・・・・!」
エリカの悲鳴を聞いた俺と蒼太は咄嗟に走っていき、風術と地術を発動させた。風術は俺と蒼太の移動速度を上げる
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