入学編〈上〉
風紀委員会による業務会議
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午後の授業が終わったので、風紀委員会本部へ行こうとしたら俺を呼び止めた声がした。振り向いた先は、ショートカットにスラッとした体型の少女であるエリカだった。
「エリカか。珍しいな、一人でいるの?」
「珍しいかな?自分で思うんだけど、待ち合わせをして動くタイプじゃないから。それより一真君はクラブどうすんの?美月はもう美術部に決まっていて、一緒にやらないかと誘われているけどあたしには似合わないと思うからさ、ぶらぶらして面白そうなところを回るつもり」
「確かレオもすでに決めていると言っていたな」
「山岳部でしょ?似合いすぎだっての、山岳部は登山よりサバイバルの方に力を入れているらしいから、あの野生動物には似合いすぎでしょ」
「そうだな」
本人の目の前では言えないことになるが、ここはいないから言っておく方がいいだろ。目の前で言われるとすぐに買い言葉だからな。で、俺は風紀委員で巡回があるがブラブラ回るのだったら一緒でも構わんぞと言ったら、教室の前で待ち合わせと言ったのでさっさと本部に行った。行ってみるとまだ森崎はいなかったが、他の先輩方は俺を見るなり何か言いたそうだったが口を閉じた。俺が座ったら辰巳先輩と沢木先輩と話していた。しばらく左端に座っているとやっと来た森崎だった。ちなみに俺の護衛は俺の後ろで待機している。
「何故お前がここにいる!」
「おいおい。それはいくら何でも非常識だろ」
「何!非常識はお前の方だろ!僕は教職員推薦枠で今日から風紀い『パシイィィィィィィィイン!!!』!!!!!」
「やかましいぞ、新入り。また厳重注意してやってもいいんだぞ?それとも取り下げしてもよかったんだが」
委員長に一喝&ハリセン一発叩かれた森崎は口を塞いだ。ハリセンの音で辰巳先輩はあーあーみたいな顔をしていた。叩かれた経験者だからか。
「この集まりは風紀委員会の業務会議だ。ならばこの場に風紀委員以外の者はいないのが道理だ。本来なら厳重注意で推薦を取り下げることも出来たのだから、それくらいで弁えろ。織斑の権限で消されたくなければな」
「申し訳ありません!」
あいつはバカなのか?厳重注意された者は織斑家の後ろ盾のことも聞いているはずなのに、こいつはすっかり忘れていたようで。こいつの顔は恐怖と緊張が昂ぶっていたが、自業自得だ。委員長たちに連行された者が風紀委員になるにも癪だが、達也=蒼い翼からと学校側からの指示でなったんだからありがたく思え。生徒会長に部活連会頭と並ぶ権力者であるが、その上は俺らである。座った森崎は血の気が引いていたが、俺の顔を見た委員長は気持ちのいい顔になっていたが。
「全員揃ったな?」
その後、二人の三年生が次々と入ってきて、室内が九人になったところで、立ち上がった委員長。
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