入学編〈上〉
新入部員獲得合戦について
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
この期間は各部が一斉に勧誘のテントを出すからな。ちょっとどころではないお祭り騒ぎだ。密かに出回っている入試成績リストの上位者や、競技実績のある新入生は各部で取り合いになる。無論、表向きはルールがあるし、違反した部には部員連帯責任の罰則があるが、陰では殴り合いや魔法の撃ち合いというのも珍しくない」
「ふむ。その話を聞くとCADを携行していると思いますが、そこのところはどうなっているんです?」
CADが無くても、魔法自体が使用不可能という訳ではない。撃ち合いともなると、CADを使用可能でなければほぼ不可能のはず。
「鋭いな。新入生向けのデモンストレーション用に許可が出たのだよ。一応審査はあるが、事実上フリーパスとなっていて。その所為で余計にこの時期は学内が無法地帯となるのさ」
やはり卒業した社員からの証言通りになったな。あとは無法地帯を何とかするのも、俺や風紀委員の権限で何とかしないとダメだろうし。まあ校長から聞いた話によると、九校戦の成績を上げてほしいからだとか。そう考えてたら会長と同じことを言っていたな。新入生の入部率を高める為か、多少のルール破りは黙認状態なんだと。それを何とかしてほしいと校長たち学校側から願っていると直接聞いたからな。課外活動の強制は人権無視だからな、何十年も前から所轄庁が禁止通達をしたらしいが、あまり効果はないとか。部活の為にスカウトされた者たちが溢れていると聞くし、学校選択の自由の建前でスポーツスカウトは事実上野放しとされているという意味での通達らしい。
「そういう事情でね、風紀委員会は今日から一週間、フル回転だ。欠員の補充が間に合ってよかった」
「なるほど。一つ質問がありますが、俺の護衛も一緒でよろしいでしょうか?風紀委員会の権限も強いですが、こちら側の方が権限は強いですよ?警察や軍隊並みですから、公務執行妨害や逃げる犯人を妨害しようとする生徒の逮捕とか。こちらには一応手錠も持っています」
「それならそうしてくれると助かる。あと逮捕者を庇うようなことや反発してきたときの対処もそちらで任せも構わんか?」
「なら構いませんが、一応放課後のミーティングでも同じ事を言わせてもらいますよ。あと俺が二科だとか戦力になるのかと疑問があった場合は即これになりますが」
これというのはもう分かっているので言わないが。こちらは即戦力になるし、一人より護衛と一緒の方が心強いしな。弁当を食べ終わったらお茶を飲んだが、放課後は巡回で一度本部に行くことは知っている。
「会長、私たちも巡回しなくてもいいのですか?」
深雪の言う私たちとは生徒会役員とここにいる沙紀のことだ。そういえば拘束系のを入れたから、それをしたいのかなと思った。巡回の応援は、中条先輩が行くとかで。あとは服部副会長と七草会長が部活連
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ