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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン15 鉄砲水と優しき闇
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り返すつもりだったのだが、今日の俺とのデュエルでお前の心がかなり限界だったように思えたから急遽予定を変更することにした。すまない、お前を必要以上に追い込んでしまって。そんなつもりはなかったのだが、誰よりも仲間思いなお前がそうなり、自分を追い込むことをまるで想定していなかった俺にも責任はある。
 俺は今日、斎王にデュエルを申し込む。俺が勝てば皆を元に戻してもらうつもりだったんだが、負けたということは次にお前と会う時、俺はもう身も心も光の結社に染まりきっているだろう。非力な俺を許してくれ。
 あまり時間がないのでゆっくり推敲することもできなかったから少々雑な文になってしまったが、俺にはもうあまり時間がない。ついさっきこんなこともあろうかと思ってイエロー寮に保管しておいた対光属性用の俺のデッキを取りに行ったんだが、どうもそれがもうばれているらしく、さっきから妙な視線を感じる。斎王のところにたどり着けるとしたら、まだ警戒が薄い今日しかない。
 お前の心を追い込んだ俺がこんなことを言うのもおこがましいが、それでもこれだけは言わせてくれ。俺はお前を信じている。お前が立ち向かうならば、どんな状況だって最後の希望が消えることはない。お前にはそう思わせる何かがある。
 三沢大地





「…………」

 ど、どうしようこれ。わざわざ日付指定の手紙ってとこでどこか嫌な予感はしてたけど、まさか三沢がここまであれこれ考えてたなんて。しかもこれ、元をただせば完全に僕のせいじゃないの。先代なんかの誘惑に乗せられ手派手にやってたせいだこれ。

「うーん、一緒に頑張ろうね、清明。だってさ」
「へ?」
「そうだぞ、何1人で難しい顔してんだよ」
「夢想、十代」

 ポン、ポンと2人から両肩をそれぞれ叩かれる。左右を見るとどちらの笑顔も屈託なく、どうしようどうしようと思っていたことがバカバカしくなるぐらいで。それを見て、なんだかスッと気が楽になった。

「そう、だね」

 まだ何をすればいいのかもよくわからないけど、とにかく前に進んでみよう。そうすれば、どう転ぶにせよ何かしらの道は見えてくるはずだ。少なくとも、ここでじっとしてるよりは遥かにいい。
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