ターン15 鉄砲水と優しき闇
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はこの声を知っている。大きく開け放った扉の前に立ち、逆光を背に受けるあの人影は。
「………十代!」
僕の親友の一人、遊城十代なのだから。
「久しぶりだな、みんな!帰ってきたら早速なんか面白そうなことやってるじゃないか、そのデュエル俺も混ぜてくれよ!」
「十代、今までどこ行ってたのさ!」
「清明、お前も元に戻ったのか!いやー、それが宇宙に行ってナントカ星人っていう喋るイルカと会ったりして、もうとにかく大変だったんだぜ。おかげで俺のHEROデッキに新しい仲間たちが増えたんだけどな。お前にも後で見せてやるよ。まあ積もる話は後でするとして、随分と白い制服が増えたじゃないか」
「ま、こっちも色々あったんだよ。さてと、エド。それに万丈目。こっちはこれで一人増えたけど、それでもやろうっての?」
このままうやむやになってくれると、こちらとしても体勢を立て直せるから大変ありがたい。どうやら万丈目はやる気満々のようだが、エドがどう出るだろうか。
「ふっ、いいだろう。今度こそ、僕の本物のHEROで………」
「ここは撤退しよう、エド」
同じくやる気だったらしいエドと僕らの前にスッと割り込むようにして入ってきた1つの影。昨日までの黒髪から万丈目のような銀髪に代わってこそいるが、見間違えようがない。三沢だ。
「なんだと?おい三沢、一体どういうことだ」
どこか昨日までと様子が違う。そう思えるのは、多分髪の毛の色が変わったからというだけではないはずだ。もっと何か、そんな外面的なことじゃなくて根本的なところで大きな変化があったような。考えすぎ、なのかなぁ。
「この二人を同時に相手にするのはまずい、と言ってるのさ。例えエド、君であっても勝つかどうかは五分五分、いや、それより少し不利なぐらいだと思う。この一年間でこの二人を見てきた俺にはわかる、今みたいな目をしてる時にはまず負けないんだ」
「バカバカしい、そんなこと………」
「いいえ、三沢君の言うとおりです。ここは大人しく撤退しましょう。元々今日排除する予定だったのは遊野清明ただ一人、遊城十代という不確定要素が入り込んだ時点であやがついた、ということです。これもあるいは、運命の一つなのかもしれません」
「斎王……!」
いつの間に来ていたのだろうか、三沢の言葉を遮る斎王。エドも斎王には頭が上がらないらしく、嫌そうな顔をしながらもしぶしぶ僕らに背を向けて引き返していった。肝心のエドがいなくなったことで、他の光の結社も潮が引くように遠ざかっていく。その中で万丈目と三沢、それにさっきから一言も喋らなかったものの後ろに回り込んでこちらの動きを見張っていた明日香だけは最後までこちらを見ていた。
あっという間に人がいっぱいだったデュエル場には僕と十代、それに夢想の三人しかい
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