暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン15 鉄砲水と優しき闇
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の結社への無理やり力づく勧誘があったから非構成員はこっそり逃げ回るようにして動き回ってたはずだけど、今はある程度警戒が解かれてる。何か路線変更でもあったんだろうか。

「あ、清明ちゃん!ちょっとおいで!」

 売店前まで来たところで、トメさんに呼び止められた。はて、なんだろう。また何かおかずのレシピでも教えてくれるんだろうか。この間教わった少ない油で店売り並みのサクッとしたコロッケを揚げるやりかたには大いに助けられたからまたああいうのだと嬉しいなあ。
 一人でワクワクしながら言われたとおりに売店の中に入る。非デュエリストである売店の人は光の結社に襲われておらず、ずっと前から通常通りに営業を続けている。むしろ光の結社に入った生徒がデッキをそれっぽくしようとする関係上、最近は光属性のパックがとにかく売れるらしい。

「お久しぶりでーす、トメさん」
「最近顔出さないから心配してたわよ、もう。それでね清明ちゃん、昨日三沢ちゃんからこんなものを渡されてね。俺が明日になってもまだ白い制服を着ているようなら清明にこれを渡してやってくださいって。私はデュエルしないからよくわかんないけど、今日見かけた時も白い制服のままだったから渡さなきゃって思ってね。はい、受け取ってちょうだい」
「これは……」

 渡されたのは、茶封筒が1つ。見た感じ、中に手紙のようなものが入っているようだ。

「あ、もちろん中は見てないから安心してちょうだい。じゃあ、またいつでもいらっしゃい」
「はーい」

 売店から出て、受け取ったものをしげしげと眺める。特に変わったところのない、ごくごく普通の100円ショップで売ってるような茶封筒だ。

「どう思う、チャクチャルさん?」
『どうもなにも、中身を見てみないうちは何ともな』

 まったくもってその通りなので、封筒の口に手をかける。丁寧に糊付けされたそれをはがそうとしたところで、

「あ、清明。久しぶり、だって」
「夢想!」

 その時タイミングよく、夢想が角を曲がってきた。こちらに気づいた彼女に手を振りつつ、茶封筒をポケットの中にしまいこむ。と、そういえばノース校の天田からもらった謎の包みもまだ開けてないな。もういい加減今日中には開封しよう。

「もう具合はいいの?ってさ。なんだか最近バトルジャンキーになった、なんて話を聞いたから」
「あー………あはは。うん、あれはちょっとした黒歴史だと思って。それで、夢想はこんなところでどうしたの?」

 その質問に別に、と肩をすくめ、すぐ横の方をくいっと指差す彼女。つられてそっちの方を見るが、そこには壁しかない。

「ほら、もうすぐ講演会でしょ?プロの話なら聞いておきたいなーと思ってね、なんだって。もうそろそろ場所取りもしておかないと、いい場所なくなっち
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