ターン15 鉄砲水と優しき闇
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朝になって、目が覚める。朝といっても、まだ日が登るまでには少しかかるぐらいの時間だ。ここ最近は寝坊気味だったけど、昨夜見た夢の中でその原因だった先代を追い払うことに成功したからか寝覚めもスッキリいい気持ち。
「さて、出ておいでサッカー」
時計を見れば午前7時、まだ登校までにはもう少し時間がある。皿洗いまで終わったところで、久しぶりに会う精霊を呼び出した。じゃれついてきた鮫の頭をよしよしと撫でながら、この後のことについて考えを巡らす。サッカーには非常に申し訳ないけれど、今日の僕は遊ぶためだけにこの子を呼び出したのではないのだ。
「チャクチャルさん、ちょっと検証するから付き合ってくんない?まず、考えないといけないのは光の結社とエドとのつながりがあるのかどうか。正直黒だと思うんだけど、まだこれといった証拠もないし一応はっきりさせておきたいところ」
『シャーク・サッカー………ああ、そのために呼び出したのか。悪くない手だと思うぞ』
「ありがと。だとすると、斎王かエドか。サッカー、どっちの方がいい?」
体全体をひねるようにして首をかしげるコバンザメ。要するに、今からこの子をどちらかの見張りにつけようというのだ。いきなり呼び出しておいてこんなこと頼むのは正直気が進まないけど、もうこれは僕一人でどうにかできるような話じゃなくなってる。だから、この信頼できる精霊たちに力を借りるしかない。ややあって、サッカーがくるりと身をひるがえして窓の外へ出て行った。
「あの方向は………エドの方か。まあ斎王のところには万丈目もいるし、近づかない方がいいか。ありがとう、サッカー」
『ふむ、いくら精霊といえども見つかった時のリスクを考えると単独行動は危険だろうな』
言われてみれば確かに、相方はいたほうがいいだろう。万が一、ということもある。本当なら、そんな危ないことには付きあわせないのが一番なんだけどね。
「でも気づけてよかった。できれば次からはそういうことはもうちょっと早く言ってねチャクチャルさん。じゃあ………キラー・ラブカ!サッカーについて行って、同じくエドの監視をお願い。何かあったらすぐに連絡してね」
黄色の体に刃物のようなひれをいくつもつけた古代魚、ラブカを呼び出して同じく外に。さて、あっちはこれで良し、と。あとはこっちでも何か動かなくちゃ。
「とは言うものの、何すればいいのかね」
『ああ、別に何も考えてなかったのか』
呆れ声のチャクチャルさん。でもしょうがないんだ、わざわざ校舎まで出てきたのに僕の顔見るだけで光の結社どころかそれ以外の生徒まで全員逃げてっちゃうんだもん。逆に言うと、それだけのことをしでかしてきたんだからまあ仕方ないことなんだろうけど。
それにしても、一つ気になる。前は光
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