入学編〈上〉
反対×挑発
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ころではない」
それはそうだろうな。俺みたいに魔法を発動を阻止できる人間は少ないし、例え発動を阻止できたとしても逃走して周りにいる仲間が妨害により未遂犯となる。例えば車での犯罪で犯人が乗る車が逃走を図ってパトカーが追跡をする。追跡中に仲間が逃走を援助するかのように、妨害して逃走犯を逃がす。そして援助した奴も追跡不可となる。だが、逃走犯が未遂のままで終わるはずがない。犯人の痕跡やナンバーで追跡をすればいつかは捕まる。魔法の未遂犯にも魔法の痕跡を残したまま逃げるから、俺はその痕跡を調査したあとに未遂犯である者を逮捕できる。とまあそんな感じだ、渡辺先輩が言ったあとに副会長は七草会長に向かう。
「会長・・・・私は副会長として、織斑一真の風紀委員就任に反対します。渡辺委員長の主張に一理あることは認めます。が、風紀委員は校則違反の鎮圧と摘発です。魔法力の乏しい二科生に、風紀委員は務まりません。この誤った登用は必ずや会長の体面を傷つけることになりますので、どうかご再考を」
「待ってください!」
俺は振り返りながらも、いいタイミングだなと思った。それにいくら副会長が言い切っても実力を見せれば問題はない。
「僭越ですが副会長、兄は確かに魔法実技の成績が乏しくありませんが、それは実技テストの評価方法に兄の力が適合していないだけの事なのです。実戦ならば兄に勝る者などおりません!」
確信に満ちた言葉に、渡辺先輩も七草会長も真面目な眼差しを向ける。深雪の言う通りこの学校での魔法実技には俺は合っていない。だが副会長は真剣味が薄いように深雪を見る。
「織斑さん。魔法師は事象をあるがままに、冷静に、論理的に認識できなければなりません。身内に対する贔屓は、一般人ならやむを得ないでしょうが、魔法師を目指す者は身贔屓に目を曇らすことのないように心掛けなさい」
あーあ、俺知らねえぞ。ここにいる護衛の者も発言には力を持っている。それに俺は魔法師ではなく属性使いや超能力者に近いところだ。誰も魔法師を目指すとは一言も言っていない。あとは俺の親友である達也が聞いていたら官職も剥奪だろうな。
「お言葉ですが、私は目を曇らせてなどいません!お兄様の本当のお力を以ってすれば・・・・」
「深雪」
と言って手をかざす。そこまでだという感じではあるが、冷静さを無くしていた深雪だが正直台本通りに進んだと俺は思う。俺は静かに副会長の目の前まで来た。
「服部副会長、俺と模擬戦しませんか」
「思い上がるなよ、補欠の分際で!」
俺が言ったことにより、会長と渡辺先輩は真面目なままだが、俺の実力は知っている。逆に騒いだのは中条先輩くらいか。罵倒を受けた本人である俺は苦笑を浮かべた。
「何がおかしい!」
「先ほど仰ったではありませんか。魔
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