入学編〈上〉
反対×挑発
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止が入った。
「渡辺先輩、待ってください」
呼び止めたのは予想通りというか、服部副会長だった。そういえば七草のところにいる真夜からの話だと、俺らの権限で捕まえたときにはいなかったと聞く。おそらく俺の本当の実力や権限とかは知らされていないのだろう。蒼い翼関連についても。
「何だ、服部刑部少丞範蔵副会長」
「フルネームで呼ばないでください!」
こいつのフルネームの間に官職付いているのか。データでは知っていたが服部といえば戦国時代にいたあの服部を思い出すが、まさか同性同名とは。小波に言ったらどういう反応になるのかな?と思ったが言わないでおいた方が正解だな。
「じゃあ服部範蔵副会長」
「服部刑部です!」
「そりゃ名前じゃなくて官職だろ。お前の家の」
「今は官位なんてありません。学校には『服部刑部』で届が受理されています!・・・・いえ、そんなことが言いたいのではなく!」
「お前が拘っているんじゃないか」
「まあまあ摩利、はんぞーくんにも色々と譲れないものがあるんでしょう」
会長にだけは怒らないんだな。これは興味深いデータだ。そして顔に昇った血の気がひくのが分かる、そして落ち着いてから改めて発言をした。
「渡辺先輩、風紀委員の補充の件です」
「何だ?」
「その一年生を風紀委員に任命するのは反対です」
冷静に感情を押し殺して、副会長が意見を述べる。渡辺先輩が眉を顰めたのは、演技でもないようで。表情が意外感なのか、ウンザリをしているのかは知らんが。
「おかしなことを言う。織斑一真君を生徒会選任枠で指名したのは、七草会長だ。例え口頭であっても、指名の効力は変わりはない」
「本人はまだ受諾していないと聞いております。本人が行け容れるまで、正式な指名にはなりません」
「それは一真君の問題以前の問題だ。服部副会長が知らないだけで、既に本人は受諾しているしある人物からの要望でもある。それを受諾した時点で決定権は君ではなく彼である」
渡辺先輩は俺と服部副会長を交互に見ながら言う。それにある人物というのはオフレコだからか、それ以上は言わない。副会長は俺を見ようとはしない、まあ情報は副会長の耳には入っていないのだろう。渡辺先輩と副会長を見る市原先輩は冷静にしていて、中条先輩はハラハラしながら、そして会長は感情の読めないような表情をしている。深雪は神妙な顔で壁際に控えているが、いつ爆発するのか分からないが、台本通りに言ってくれるだろ。
「過去、ウィードを風紀委員に任命した例はありません」
「それは禁止用語だぞ、服部副会長。風紀委員会による摘発対象だ。委員長である私の前で堂々と使用するとは、いい度胸だな」
渡辺先輩の叱責と警告との両方とも言えるセリフだ。まあ
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